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【令和を変える! 関西の発想力】「不要不急」どころか必須 姫路市、隈研吾氏ら招き地元文化の魅力見直す一大アートプロジェクト (2/2ページ)

 なぜなら書写山圓教寺は、トム・クルーズ主演の映画「ラストサムライ」のロケ地であり、世界中のファンが憧れる聖地だからです。その荘厳な佇まいを朝顔のカーテンが彩る風景は国境を超えて、ファンの心を魅了するでしょう。

 その上、近くには、日本初の世界文化遺産に登録された姫路城があります。つまり姫路市には、世界の注目を集める文化遺産が2つ存在しているのです。

 だからこそ、一流アーティストの視点から地元の文化の魅力を見直すことで、コロナ禍に疲れた市民の心をほぐし、地域全体で地元の誇りを取り戻そうとしているのでしょう。まさに「オールひめじ アーツ&ライフ・プロジェクト」そのものです。期間中、姫路城ではコア・アーティストのフォーラムが毎年開催され、書写山圓教寺は「アーティスト・イン・レジデンス」の場となって、多くのアーティストの長期滞在を受け入れるそうです。1人でも多くの市民に、良質なアートに触れてほしいといった願いが伝わってきます。

 プロジェクト終了の翌年、2025年には「大阪・関西万博」が開幕します。この万博は、日本が再び本格的にインバウンドを迎える起爆剤になるでしょう。姫路市にも多くの外国人観光客がやってくると予想されますが、その頃には4年間アートに触れた市民の心に、彼らをあたたかく受け入れる余裕ができているでしょう。文化のチカラ、恐るべし。「不要不急」どころか、必須ですね。

 ■殿村美樹(とのむら・みき) 株式会社TMオフィス代表取締役。同志社大学大学院ビジネス研究科「地域ブランド戦略」教員。関西大学社会学部「広報論」講師。「うどん県」や「ひこにゃん」など、地方PRを3000件以上成功させた“ブーム仕掛け人”。

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