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【こんな時代のヒット力】コロナに負けない頼もしい「部屋着」 AOKI「パジャマスーツ」 (1/2ページ)

 コロナ禍で働き方が大きく変わった。リモートワークは「ジャケットやシャツだときちんとし過ぎる」「トレーニングウエアだと体育の日になってしまう」と、中高年を悩ませる。

 それに応えたのが、スーツ専門店、AOKI(横浜市)の「パジャマスーツ」だ。パジャマのリラックス感とスーツのきちんと感を併せ持ったテレワーク用の新たなスーツ。コンセプトは「パジャマ以上、おしゃれ着未満」だ。

 スーツは年間約2500億円市場だったが、ビジネスマンのスーツ離れが加速する中、縮小トレンドにあった。同社の上田雄久社長は「このままでは、和服のように特別な日しか着ないものになる」と危機感を抱いていた。そのため、同社では、コロナ以前からスーツ市場への新たな可能性を追求していた。そこに起こったコロナ禍で、次の時代への課題がすぐ目の前の課題に変わった。

 「外出自粛やテレワークなど自宅で過ごす時間が多くなり、お客さまは何を困っているのか」。客に最も近くで接する売り場の販売員にヒアリングを重ねた。開発担当のみならず、上田社長自身も行ったという。

 その結果は、「家でゴロゴロしたいが、リモートワークではきちんと見え、近所のコンビニ程度の外出に対応できる」(商品企画責任者、水谷修さん)というニーズだった。着ていて楽だがきちんと見えるという、相反する条件の解決は非常に難しい。

 スーツは背中の中心に縫い目がある方が、逆に楽なスタイルは縫い目がない方がいい。だが、縫い目がないと肩甲骨の周りの膨らみが出なくなり、だらしなくなる。それを克服するため、ダーツ(布の一部をつまんで縫製する技法)を入れて肩のシルエットをピシッとさせながら、窮屈感を無くした。パターン(型紙)を何度も描き直した。

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