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【榊淳司 マンション業界の秘密】場所によっては2倍以上…東京都心「局地バブル」の理由 (2/2ページ)

 デベには仕入れ部門がある。マンション開発のための土地を買い付ける部署だ。当たり前だが、そういった部署にも「年間×××億円分の開発事業が行える用地を確保せよ」というノルマがある。

 だが、景気回復期には土地が値上がり気味になる。市場相場でマンションを供給できる価格では、土地が買いにくくなる。それでもノルマを達成しなければならない。だから「えいやっ」とばかりに土地を買う。そこにマンションを建てると、当然、売り出し価格もより高くなる。

 13年から始まった異次元金融緩和で住宅ローン金利が低下した上に、審査も緩くなった。で、そんな高値の新築マンションが何とか売れてしまったのだ。

 そうなると、高値で買った土地の価格が市場相場となり、さらに値上がりする。そんな土地を再びデベが買い、建てられた新築マンションが、またまた高値で売れる。その影響で、周りの中古物件の相場も上がる。この循環が8年以上も続いている。

 要は値上がりした価格で物件を買ってしまう人がいるから、その高値が市場相場として定着する。その高値を受けいれたのが局地バブルエリアで、受けいれられない郊外の価格は、新築も中古も8年前からさほど値上がりしていない。

 もっとも、コロナ後はこのようなゆがんだ値上がり循環も、さすがに終わりそうだ。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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