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【榊淳司 マンション業界の秘密】大手施工の欠陥住宅が相次ぎ発覚…大規模な修繕避けられず 購入者の肉体的、精神的負担も (2/2ページ)

 建築確認は指定の審査機関が「建築基準法等の規制に即している」ことを公式に認定するもの。これを取り消されると建物を建てられなくなる。

 建設が進んでいる工事で、その確認が取り消されることはめったにない。審査会が公開した情報から類推すると、一部の共用廊下が規定の幅を満たしていなかったとみられ、これが取り消しの理由のようだ。

 このマンションの今後はどうなるのかまだ分からない。しかし、1年後から始まる新居での生活を楽しみにしていた購入契約者のショックは想像に難くない。

 3件目は武蔵野エリアで1年前に完成したタワマン。売主は大手企業数社のJVだ。

 上階からの騒音と振動が激しいので外部の調査会社に検査を依頼したところ、二重床を支える支持脚の一部に振動を緩和するゴムが使われていないことが分かった。これもそれ相応の大規模な修繕は避けられないだろう。

 大手企業でも、時に大きなミスを起こす。それにあたった購入者は不運としか言いようがない。もっとも、大手の場合、資本的に体力があるため、それ相応の対応は受けられる。これが中小なら、最悪、泣き寝入りにさえなりかねない。ここが唯一の救いではあるが…。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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