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【経済快説】東芝の経営問題、経産省の責任追及せよ 原発と防衛の「国策」と「民業」を分割するべき (2/2ページ)

 一方、東芝は同時に株式を上場している民間会社だ。その企業統治は以前より、コーポレート・ガバナンス(企業統治)にあって先進的とされる委員会等設置会社だった。これは、形だけ整えても、関わる人間がダメだとうまく行かないことの好例といえる。

 東芝が今回の不正に至った背景は、子会社による米国の原発事業での巨額損失、不正な会計操作による信用の喪失などを受けて、資本市場から資金を調達する際にいわゆるアクティビスト(会社経営に関与することにより利益を得ようとする投資家)から資金を調達したことにある。東芝経営陣および経産省の、アクティビスト株主から資金だけを頂戴して、意見は遠ざけようとするやり方には、いささか無理があった。

 そして何よりも、全ての株主に公平であり、透明性のある経営を行うべきだとするコーポレート・ガバナンス改革を主導しているはずの経産省自身が、株主の公平性を損なう行動に関与していたのだ。まずは、事実関係を明らかにすることが必要だ。東芝の経営陣以上に経産省の責任追及が重要だ。

 企業としての東芝は有望な技術や収益が期待できるビジネスを持っている。経営陣と経産省がこそこそと経営を決めるような体質を脱却すべきだ。「国策東芝」と「民業東芝」に事業を分割するべきなのかもしれない。 (経済評論家・山崎元)

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