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【日本の解き方】家庭のCO2・66%削減案が浮上、実現には“政治決断”が必要 鍵を握る排出への価格付けと原発 (1/2ページ)

 環境省と経済産業省の審議会の合同会合で、2030年度の「エネルギー由来の二酸化炭素(CO2)」の排出量を13年度比で45%削減する案が示された。削減率を産業部門で従来の7%から37%、家庭部門は39%から66%に引き上げるというが、実現可能なのか。

 今回の案は、今後、一定の手続きを経て閣議決定され、それに基づいた削減計画は、11月に英国で開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)までに国連に提出される。

 これまでの計画では、50年の温室効果ガスの排出量を80%削減するために「30年度に13年度比26%削減」としていた。今回は、菅義偉政権が掲げた「温室効果ガス46%削減」目標に合わせるために、従来計画から削減率を積み増ししている。

 温室効果ガス46%削減目標は、国際的な政治環境を考慮した「政治決断」である。一方、今回の削減積み増しは「事務的な手続き」だ。

 事務的な手続きは、政治決断を伴う大きな制度改正や政策転換は含まれておらず、従来のフレームワークの中で行う。なので、事務方の誰に聞いても「その実現は困難」というはずだ。従来のまま、簡単に削減の積み増しができるくらいなら、そもそも政治決断は不要だ。

 というわけなので、専門家会合では「国民や自治体が取り組める仕組みや制度を作ってほしい」といった意見が出たが、そこまでの政治決断は今のところできない。今後、削減案が国際舞台に出ていく中で、他国の状況を見ながら日本でも政治決断が実施されていくのだろう。

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