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【榊淳司 マンション業界の秘密】猛烈に増え続けたワンルームマンション、購入者に待つ不都合な未来 (2/2ページ)

 家賃保証期間が過ぎた後に、その住戸が空室になった場合はどうなるのか。購入者は自腹を切ってローン返済を行うしかなくなる。

 既存ワンルームマンションの住戸数は年々積み上がっている。しかし、少子高齢化によって借り手である若年層の人口は減っている。この手の物件が集中する東京都の人口も流出超過に転じた。

 それでもワンルームマンションは増え続けている。買う人がいるからだが、売れる限り、儲かる限り、業者は造り続けるだろう。

 すでに東京23区の賃貸住宅は数万戸規模で供給過剰状態にある。今後、これは拡大すれども縮小することはない。つまり、業界の経営環境はますます厳しくなる。

 この10年ほど、金融緩和と景気の安定によって、ワンルームマンションは猛烈に増え続けた。今後、空室になった住戸のローンを払いきれずに任意売却や競売に追い込まれるケースが急増しそうだ。そのオーナーたちの中には、最終的に自己破産に追い込まれる者も少なくないだろう。

 そもそも投資商品としての設計に無理があるのが新築ワンルームマンションだ。しかも価格が上がり過ぎて、投資対象としてはリスクばかりが目立っている。その弱点が多くの人の目にさらされる日は遠くない。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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