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【BOOK】世間の価値観に流されない核みたいなものを見つけた 藤沢周さん『世阿弥最後の花』 (3/3ページ)

 --同じ番組の司会に俳優の故児玉清さんも

 「児玉さんにも読んでほしかった。それと何より心の師匠である古井由吉さんに…」

 ■『世阿弥最後の花』河出書房新社2200円 

永享6(1434)年能楽で栄華を極めた世阿弥元清は、将軍・足利義教の勘気を被り、咎のないまま京都から佐渡島に流される。失意と絶望の底に落とされた世阿弥。しかし、ただ一人の供人・六左衛門、島民の少年・たつ丸、侍から出家した了隠法師、地元の古刹の住職や村人、女衆らと出会う。彼らとの交流の中で世阿弥は朽ちることなく、立ち上がる。世阿弥最晩年に自身が『風姿花伝』に説く「まことの花」とは…。世阿弥をその身に憑依させ描く、著者渾身の長篇である。 (書き下ろし)

 ■藤沢周(ふじさわ・しゅう) 1959年新潟県生まれ。作家。62歳。法政大文学部卒業後、書評紙「図書新聞」編集部に勤務、93年『ゾーンを左に曲がれ』(『死亡遊戯』と改題)でデビュー。98年『ブエノスアイレス午前零時』で第119回芥川賞を受賞。他に『雪闇』『箱崎ジャンクション』『波羅蜜』『武曲(むこく)』『武蔵無常』など多数。

 小説執筆のほか、書評テレビ番組「週刊ブックレビュー」の司会者を務めるなど他メディアでも活動。また2004年、母校法政大経済学部教授に就任。昨年退職して執筆に専念。父は柔道の武道家で、藤沢さん自身も剣道四段を持つ。現在、謡・仕舞をシテ方観世流・梅若紀彰師に師事。

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