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【渡邉美樹 経営者目線】ワタミ「フライドチキン」で「ケンタッキー」に挑戦 30年生き残る外食企業の共通点 (1/2ページ)

 「外食産業60年史」という企画が雑誌「月刊食堂」で組まれている。約30年前の外食企業の経営者のインタビューがそのまま再録されていて、まるでタイムマーシンに乗った気分だ。横川竟氏(すかいらーく共同創業者)、大河原伸介氏(日本ケンタッキー・フライドチキン三代目社長)、田渕道行氏(ほっかほっか亭)ら親交のある方もいる、一時代を築いた素敵なフロントランナーたちだ。私も再来月号で登場する。

 しかし、創業者の資本のままに残っている企業はほとんどない。変化と競争の激しい外食業界で生き残り続ける難しさを感じる。当時の夢や戦略を語っているが、今読み返すと、成功や失敗の答え合わせができるところが面白い。

 成功法則は、ほぼ共通している。QSC(商品クオリティ・サービス・クリンリネス)や、仕入れ力、人材教育といった原理原則をしっかり守っていることだ。すべて今にも通じる。一方で、一度成功しても成功を維持する方が難しい。なかには出店を急ぎすぎ人材が育たなかった企業や、新業態立ち上げの困難さが目立つ。

 その昔、ケンタッキーも鶏肉から派生し、やきとり惣菜店を試みたが、結果を出せなかった。ワタミも居酒屋から焼肉に主力事業を転換した。「家族団らん」を取り込むことを得意とした和民の世界観は変えていない。このほか、オーナーの株式が不安定になった企業や、不動産はじめ本業以外の投資を試みた企業も生き残っていない。ワタミにも不動産投資など、たくさんの話が持ち込まれたが、「額に汗しない事業はしない」と明確に企業理念に記している。短期的利益より長期的人間性向上を掲げる。

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