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【新・兜町INSIDE】日本郵政株売り出しの陰に「首相交代」あり?

 岸田文雄氏が自民党総裁選で勝利した翌日の9月30日。政府が日本郵政株を年内に追加売却する方向で検討に入ったと報じられた。1兆円規模の資金吸収が予想され、相場全体への打撃は必至だ。証券関係者の間では「首相交代を機に財務省と経済産業省の対立が再燃した」と、うがった見方がある。

 岸田氏は幹事長に元経産相の甘利明税調会長を登用し、首相秘書官には元経産次官の嶋田隆氏を充てた。安倍晋三前首相の株高政策を支えたのが経産閥だったこともあり、岸田氏も経産人脈に乗って株高志向に傾く可能性が高い。一方、岸田氏は消費税率を今後10年は上げないとも発言し、財政再建を目指す財務省とは距離がある。

 このため、証券関係者の目には、相場を冷やす郵政株売却が財務省による経産省への牽制(けんせい)球に映るようだ。ただ、政府による郵政株の保有比率引き下げは法律で定められた既定路線で、財務省が勝手に決められない。それでも兜町で経産・財務省の対立が語られるのはアベノミクス初頭の株価暴騰を懐かしむ雰囲気が残っているためだろう。

 【2021年10月4日発行紙面から】

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