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【新・兜町INSIDE】岸田首相、目指すは安倍路線? 成長と増税の並行作業に

 岸田文雄首相は持論の金融課税強化が株式市場の猛反発を食らうと、「誤解が広がった」として事実上封印した。分配重視から経済成長優先へ軸足が少し移動した形で、市場は「結局は安倍晋三元首相と同じ路線に落ち着く」(大手証券)との見方に傾きつつある。

 10月31日投開票の衆院選から最短9カ月後の来年7月に参院選があり、それまで増税は禁句。岸田内閣は甘利明幹事長ら経済産業省人脈の影響力が強く、優遇税制による設備投資や技術革新の促進、安全保障の観点からの経済基盤整備などが最優先されるもようだ。金融緩和と財政出動に続くアベノミクスの「第3の矢」とほぼ重なる。

 一方、麻生太郎副総裁は財務相を戦後最長の8年9カ月も務め、財務相離任会見でも財政健全化の重要性を説いた。麻生氏は甘利氏と並ぶ岸田政権の重厚な後ろ盾のため、麻生氏の意向は無視できない。安倍氏が景気優先を唱えながら消費税率を2回引き上げたように、岸田氏もブレーキとアクセルを両方踏むことになりそうだ。金融増税は参院選後か。

 【2021年10月13日発行紙面から】

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