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円安加速、1ドル120円突破も視野 日本経済にメリットあるが…値上げラッシュ、年末の家計に直撃の恐れ

 外国為替市場の円相場が約4年8カ月ぶりとなる1ドル=115円台に突入した。米国で利上げの時期が早まるとの観測が強まり、120円突破も視野に入る。円安は日本経済にトータルではメリットがあるが、原油高に加え、食品など個別の価格上昇も続いており、年末に向けて家計に大打撃となる恐れもある。

 円相場は年初に1ドル=102円台後半の円高基調だったが、9月以降急速に円安に傾斜した。米国が量的緩和の縮小を決めたほか、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長再任が決まり、利上げ時期も早まるとの見方が広がった。

 一方、国内はデフレ懸念が残ることから、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は「強力な金融緩和を粘り強く続けていく局面にある」と述べており、円売りドル買いの勢いは続きそうだ。

 2014年から15年にかけて、1ドル=104円台から125円台と約10カ月で20円以上円安が進んだこともある。今回も120円まで進んでもおかしくない。

 自国の通貨安はメリットの方が大きいとされるが、今回は原油価格の上昇も加わっており、目先の価格上昇が深刻だ。ガソリン価格に直結するほか、電気やガス料金も12月から値上げされる。パンやパスタ、菓子、コーヒー、食用油、冷凍食品、さらには牛丼やファミレスなど外食の価格まで身近なものの値上げラッシュが始まっている。

 米国が日本などと協調して実施する方針を表明した石油備蓄放出策の効果に対して懐疑的な見方もあり、原油高が収まるかどうかは不透明だ。

 民間企業の今冬のボーナスは前年比0・4%減~0・8%増のほぼ横ばいとの予測もある。政府は家計のフトコロを温める施策が急務で、給付金も18歳以下とか所得制限とかケチくさいことを言っている場合ではない。

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