人間関係を円滑にする原則「人を動かす」D・カーネギー著

2014.07.25


D・カーネギー(著)「人を動かす」【拡大】

 私たちは社会のなかで 多くの人とかかわり合いながら生きているが、時にどう対処すべきか、迷うような場面にも遭遇する。そんな時に役立つのが、D・カーネギーの「人を動かす」である。

 この書は1936年の初版以来、世界各地で出版され、日本でもベストセラーとなっている。ここには人間関係をうまく運ぶための原則が30項目にわたり書かれている。

 人を動かすための秘訣(ひけつ)は、相手が欲しがるものを与えて、自ら動きたくなる気持ちを起こさせることだ。人は健康や食物、金銭だけでなく「自己の重要感」を欲しがる。これは、偉くなりたいという願望であり、重要人物でありたいという欲求である。

 人は例外なく、他人から良い評価を受けて認められたいという渇望を持つものだ。相手を動かそうと思えば、褒める、励ますなどの言葉で相手の評価を高めながら、その強い欲求を心の中に起こさせる。本書ではこれを「重要感を持たせる」という。そのために、他人の立場に身を置いて、考えることが大事になる。

 自動車王として名高いフォードが成功の秘訣について「他人の立場を理解し、自分の立場と同時に他人の立場からも物事を見ることのできる能力である」と言うように、相手の身になって考えることで、その人が今、何を求めているのかが見えてくる。

 普段の生活やビジネスにおいて、好印象を抱かれてこそ、人との交わりがうまくいく。人に好かれるためには、一方的に話して相手の関心をひこうとするのではなく、相手に誠実な関心を寄せる。

 たとえば、相手の名前を覚える。もし、社長が昨日入社したばかりの新入社員の名前を覚えていたら、その社員はうれしくなるはずだ。名前は当人にとって、最も重要感を覚えさせる言葉なのである。

 このほかにも、私たちは人から押し付けられた意見よりも、自分で思いついた意見のほうを大切にするので、相手を説き伏せようとするよりも、意見を「思いつかせる」ように話を持っていくこと。

 「まず褒めてから、遠まわしに注意を与える」ことで、相手に不愉快な思いをさせずに注意を促せるなど、さまざまな人間関係に役立つ方法が満載の書である。

 【類書紹介】

 同じ著者によりベストセラーとなった「道は開ける」、話し方に特化した「カーネギー話し方入門」もある。

■この本のざっくりポイント
◯成功の秘訣は、他人の立場を理解し、その立場からも物事を見ることのできる能力にある。
◯相手の名前を覚えて、重要感を覚えさせる。
◯人を説得するためには、相手に意見を「思いつかせる」ように話を持っていく。

 ■多田文明(ただ・ふみあき)1965年生まれ。ルポライター。自己啓発書の説く内容を実践レポートした「崖っぷち『自己啓発修行』突撃記」(中公新書ラクレ)を執筆するなど、自己啓発書ナビゲーターとして活動する。詐欺・悪徳商法にも詳しい。

 

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