そもそもゼロから生まれるアイデアは存在しない 「考具」加藤昌治著

2014.08.01


「考具」加藤昌治著【拡大】

 アイデアや企画を考えるためのシンキングツールを「考具」と呼び、ベストセラーになったのが、加藤昌治氏の『考具』である。著者は、大手広告代理店に勤務し、企画を立案していた経験から、さまざまな思考法を提示してくれる。

 日本ではアイデアと企画がごっちゃになっていると指摘する。アイデアと企画は「WHAT」(何)と「HOW」(どうする)の関係で、「夢」、自分のやりたいことが「WHAT」、その夢を実現した「カタチ」が「HOW」となる。これはいいぞ、と判断できるアイデアに実現性を持たせると企画になる。

 多くの人は企画に、これまでにない斬新なアイデアが必要だと思いがちだが、「新しい」という考え方を変え直す必要がある。誰もが気が付かない考えが「新しい」のではなく、会社や自分の業界にとって、「少しだけ新しくても、『新しい』」と考える。そもそもゼロから生まれるアイデアは存在せず、「既存の要素の新しい組み合わせ」によってアイデアは生まれる。

 頭の使い方として、まず普段の生活でアイデアの素となる情報を仕入れ、それを広げて考え企画にまとめる。そこで、ネタをためこむ考具として「カラーバス効果」がある。

 例えば、その日のラッキーカラーを「赤」として意識すると、赤い車から看板広告の赤色まで、一見関係なさそうな物でも同色という共通性で、自然に集まってみえてくる。このように、一つのことを意識すると必要な情報が頭の中に入ってくる。

 アイデアを広げるためには、「マンダラート」がある。正方形の中に縦横2本の線を均等に引き、9区画にわける。真ん中にテーマを書き、周りにテーマから生まれる考えを書き出す。箱の中に考えを書き込むことで、頭の中にあるアイデアを引っ張りだしてくれる。

 このほかにも、放射状に言葉やキーワードを広げながら頭の中の考えを、紙に書き出すマインドマップなども紹介している。

 さらに、アイデアを企画に落とし込むために「5W1H」で考える方法も有効で、企画作りに頭を悩ませる人にとって、新たな考えを生み出すための必要な考具がここにはそろっている。

 【類書紹介】

 広告人による発想法に関する著書としては、古典的なジェームス・W・ヤング著「アイデアのつくり方」、嶋浩一郎著「嶋浩一郎のアイデアのつくり方」などもある。

■この本のざっくりポイント

◯アイデアと企画は、「WHAT」(何)と「HOW」(どうする)の関係で成り立つ。

◯アイデアとは、「既存の要素の新しい組み合わせ」である。

◯企画につながる頭の使い方は、広げて絞って、また広げて絞る。

◯会社や自分にとって、少しだけでも新しければ、十分に「新しい」。

 多田文明(ただ・ふみあき)1965年生まれ。ルポライター。自己啓発書の説く内容を実践レポートした「崖っぷち『自己啓発修行』突撃記」(中公新書ラクレ)を執筆するなど、自己啓発書ナビゲーターとして活動する。詐欺・悪徳商法にも詳しい。

 

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