人生の岐路にどう立ち向かうか 「チーズはどこへ消えた?」スペンサー・ジョンソン著

2014.08.08

 医学博士、心理学者でもあるスペンサー・ジョンソン氏の「チーズはどこへ消えた?」は、全米でベストセラーになり、様々な企業の社員教育にも活用されてきた。

 これは、2匹のネズミと2人の小人が迷路にさまよいながらも、失われたチーズを探す物語だ。この話は、日々変わりゆく環境のなかで、私たちがどのような行動をとるべきかを考えさせる内容になっている。

 単純に物事を考える2匹のネズミは、チーズが無くなるという環境の変化にすぐに順応し、新しいチーズを探しに出かけ、大量のチーズを見つけた。

 それに対して、知恵と感情が豊かな小人たちは「チーズはどこに消えたのか?」と悩むばかりであった。特に小人のヘムはこの変化を認めず、もう1人の小人ホーが「新しいチーズを探しに行こう」と提案しても「他の所は危険なので、事態を見守った方がいい」と、その場を動かない。

 ついにホーは、チーズを探しに旅立つが、ヘムはついてこない。ホーは居心地の良い場所を離れる恐怖心はあったが、新しい道へ歩み出すことで、その思いを断ち切ることができた。そして、ついに2匹のネズミたちと同じ場所で大量のチーズを見つけられた。

 ここでのチーズとは、私たちが人生で求める仕事や家族、財産などの象徴で、迷路とは会社、社会のことである。チーズを見つけるとは「幸せになるために、必要なものを手に入れる」ことだという。

 確かに現状の安定から新しい環境へ一歩進み出ることは、勇気のいることである。しかし、変化という事実を素直に受け止め、それを乗り越えることで新しい生き方を手にできる。

 最後に、物語を読んだ人々のディスカッションシーンが展開する。ある人は、これまで変化を恐れていたが「変化は人を新しいよりよいところに導いてくれる」と言い、別な人は「変化に不平を言うより『チーズは消えてしまった。さあ、新しいチーズを探そうじゃないか』といえるようになった」と話す。

 この世の中に変わらないものはなく、私たちもさまざまな場面で人生の岐路に立つことだろう。その時に、どう立ち向かえばよいのか。物語はさまざまなヒントを与えてくれる。

 【類書紹介】

 同じ著者が共著者になっている「1分間マネジャー」「チーズはどこへ消えた?」の続編ともとれる「人生の贈り物」等もある。

■この本のざっくりポイント
◯小さな変化に気づけば、大きな変化にうまく適応できる。
◯物事を簡潔に捉えて、柔軟な態度で、すばやく動く。
◯居心地の良さを抜け出し、恐怖心を乗り越えたところに、新しい発見がある。

 ■多田文明(ただ・ふみあき)1965年生まれ。ルポライター。自己啓発書の説く内容を実践レポートした「崖っぷち『自己啓発修行』突撃記」(中公新書ラクレ)を執筆するなど、自己啓発書ナビゲーターとして活動する。詐欺・悪徳商法にも詳しい。

 

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