山崎製パン「ランチパック」 ブランド戦略で“即食”の人気商品に

2014.09.10


山崎製パン「ランチパック」【拡大】

 1984年に発売された「ランチパック」(山崎製パン)は、耳をカットしたしっとりふわふわの食パンに、さまざまな食材が包まれたサンドイッチ風の菓子パンである。2012年には、4億個を超える数を売り上げた。

 しかし、発売当初から超人気商品だったわけではない。06年、本格的にブランド戦略を展開したことが、ターニングポイントとなった。

 菓子パンは、7割が定番商品、新製品に手を出すのは3割という消費者行動に特徴があり、ブランド戦略になじまないといわれる。担当するマーケティング部マーケティング第二課課長の田村優和さんも、当時、ランチパックは「耳のない食パンを使った菓子パン。数ある菓子パンの一つ」という認識だった。

 売り上げが安定していたこともあり、「ランチパック」と名乗っていてもパッケージデザインはアイテムによってバラバラ。消費者も「ランチパック」と認知して買うわけではなかった。

 時代は、主婦が外に出て仕事をし、定年延長の流れも加速、世の中全体が忙しくなっていた。そのため“即食”の手軽な昼食が求められ、おにぎりが売れている。

 同社ではそこに着目、「サンドイッチより持ち運びに便利で、おにぎりよりも手軽に小腹を満たす菓子パン」を構想した。白羽の矢が立ったのは「ランチパック」。これをシリーズとしてコーナーを作ることが考えられた。

 そこでロゴを作りブランドを統一、パッケージデザインを統一した。CMも大量投下、「ランチパック!」とコールした。販売面では量販店中心にランチパックコーナーを作り、CMで認知した消費者が手に取りやすいようにした。

 ブランド化の効果は目に見えてあがり、まず主婦層が反応。次いで、普段菓子パンをあまり食べない40代、50代の男性が残業ユースで反応した。さらに、学生、OLが購入し、全般的に底上げした。

 田村さんは「こういう菓子パンの売り方もあると改めて学んだ」と振り返る。さらに「技術革新で食パンのふんわり感が向上し、品質が向上したのも大きかった」。

 同社は、全国20カ所の開発拠点でランチパックを開発、同社で「不動の三品」と呼ぶピーナッツ、たまご、ツナ&マヨネーズを残しながら、年間120ほどの新製品を発売する。開発には半年から食材によっては通常の菓子パン開発より長い3年をかけ、時に「日に40種試食したこともある」(同)。それは「色々な種類が常時出ている楽しさ」を伝えたいからだ。

 また、ホームページへの書き込みを毎日確認し内容を検討、仮説を立てすぐに変えてきた。4種の味を1袋にしたミックスは、そうした中から生まれた。

 食パンに食材を挟むため、素材のバランス、食パンの塩分とのバランスなど開発に難しさは伴うが、「今までやったことのない食材がまだまだあり、新たな味や機能性の追求などやりたいことがいっぱいある」と田村さんはいう。 (村上信夫)

 

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