ビジネスパーソンに役立つ仮説思考

★「仮説思考〜BCG流 問題発見・解決の発想法」内田和成著

2014.09.19


内田和成(著)「仮説思考〜BCG流 問題発見・解決の発想法」(東洋経済新報社)【拡大】

 仕事を進める上で大事なことは、答えから発想することである。著者である内田和成氏は長年にわたるコンサルティング経験を踏まえ、仮説思考をわかりやすく説明してくれる。

 私たちは情報が多ければ、よい意思決定ができると思いがちだが、そうではない。たくさんの情報を集めてから、解決策を出そうとすると情報量が多くなり、時間がかかる。それに対して、情報が少ない段階からでも、ストーリーを作り「仮の答え」(仮説)を出せば、それを検証するために必要な証拠を集めればよいだけなので、意思決定が早くなる。

 この仮の答えをもって、実行に移すことは、医師が患者を診察するのに似ている。医師は「この病気だろう」という問題発見の仮説を立てて、それに基づく検査を行い、病気を解明し治療(解決)に当たる。仮説思考を使えば、問題の発見が早くなり、解決策が絞り込めるので、仕事を効率的に進められる。

 よい仮説と悪い仮説の違いは、単に仮説が当たっていたか否かではなく、それが深く掘り下げられているかどうかである。「営業の効率が悪いために売り上げが伸びない」というだけでなく、「営業がデスクワークに忙殺されて、時間がないために売り上げが伸ばせない」といったように「なぜ効率が悪いのか」という原因にまで、深く掘り下げて考える。

 そこで、よい仮説を立てるためには、「So What?」「なぜ、そうなのか」と考えてみる。普段の生活から、出来事に対して「なぜ」を繰り返すことで、仮説思考力は磨かれていく。

 また仮説は、実験、検証をすることでより良い仮説になる。たとえば、コンビニでは「サンドイッチとカップスープは、隣同士に置けばよく売れるのではないか?」という仮説を立て、実際に売り場で検証を行い、売り上げの増減のデータを取り、その正しさを証明する。仮説は検証を繰り返すことで進化する。

 このほかにも、ディスカッションによる検証では、仮説を否定するのではなく「こうしたらよいのではないか」とアドバイスしながら、仮説の進化を促す方法なども紹介している。時間に追われるビジネスパーソンにとって、仮説思考は大いに役立つはずである。

 【類書紹介】
 同じ著者により、正しい問いの重要性を論じる「論点思考」、アウトプットの成果を重視する「プロの知的生産術」等の著書もある。

 ■この本のポイント
◯仕事の進め方で大事なことは、答えから発想すること。
◯情報が少ない段階からでも「仮の答え」を出して、全体像や結論を考える。
◯仮説思考を使えば、問題発見が早くなるので、仕事を効率的に進められる。
◯仮説は実験と検証を繰り返すことで、よりよい仮説に進化していく。

 ■多田文明(ただ・ふみあき)1965年生まれ。ルポライター。自己啓発書の説く内容を実践レポートした「崖っぷち『自己啓発修行』突撃記」(中公新書ラクレ)を執筆するなど、自己啓発書ナビゲーターとして活動する。詐欺・悪徳商法にも詳しい。

 

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