楽天カード・穂坂雅之社長 保有状況の調査ではすでにトップ 目指すはNo.1カード会社

★楽天カード・穂坂雅之社長(60)

2014.09.23


楽天カード・穂坂雅之社長(60)(撮影・財満朝則)【拡大】

 「楽天カードマン」の強烈なインパクトのCMがおなじみだが、クレジットカード事業も後発組ながらCMに負けない勢いで急成長中で、業界での存在感は大きくなるばかりだ。前職のオリックスグループ在籍時と現在の楽天グループでそれぞれプロ野球チームが日本一になるなど“持っている男”は、カード会社でも日本一を目指す。 (中田達也)

 ──年会費永年無料が特徴ですが、効果は

 「大きいですね。2004年7月にカード事業をゼロから始めて10年になりますが、当時考えていたのが年会費無料と、ポイント還元率を他社よりも良くするという2つでした。いまもコンセプトは全く変わっていません」

 ──ポイント還元率を高くできた理由は

 「従来のカード会社の多くは収益性が高くなかったこともあって、ポイントの交換比率が良くなかったり、交換できる品物も限定されるなど、おまけのような存在でした。われわれはインターネットの会社なので、カードの申し込みもすべてネットで完結させることで会員獲得コストを削減し、ポイントの形で還元しています」

 ──楽天グループとしてもカード会社を持つメリットがあるようですね

 「(ネット通販の)楽天市場の会員が楽天カードを持つと利用金額が増える傾向があり、楽天市場の売り上げに貢献しています。逆に楽天カードとしても、楽天市場で会員の獲得活動ができるし、その会員は外部からグループ内に収益を引っ張ってきてくれるんですよ。実は楽天カードの利用額のうち、“楽天経済圏”は約25%で、約75%は外部で使っていただいているんです」

 ──コスト削減策やネット通販との相乗効果について、他のカード会社が追随する可能性は

 「ネットのノウハウや経験、巨大な会員組織のベースがないと難しいでしょうね」

 ──クレジットカードを複数持つ人も少なくありません

 「ある経済誌が行った年収別のクレジットカードの保有状況の調査では、どの年収の人でも楽天カードを持っている人がトップという結果が出ていました。2枚目、3枚目のカードになってしまうとコストが上がって売り上げが上がらないのでカード事業としては失敗です。その点、楽天カードは他社よりも利用金額が高いことがはっきりしているので、かなりの方がメーンカードとして使っていただいていることは間違いないですね」

 ──タレントの川平慈英さんが出演する「楽天カードマン」のCMのインパクトも大きいですね

 「川平さんがことのほか協力的で、キャラクターも明るいので、良い評判をいただいてます。カード型のめがねをかけて、目が隠れてしまうので心配していたのですが、気持ちよく引き受けていただきました」

 ──電子マネーのEdy(エディ)を運営する「楽天Edy」の社長も務めていますが、楽天カードとの連携は

 「エディ単独では地方のスーパーマーケットの電子マネーに組み込んだり、社員食堂の決済に使っていただくなど幅広く展開しています。一方で、楽天カードとエディを一体化させ、電子マネーを自動でチャージできたり、ポイントを使えるようにする仕組みも整えました」

 ──楽天カードの目標は

 「自社のカードの取扱高は昨年が約2兆4000億円で、今年は3兆円を超える見通しです。業界平均を上回る伸びを続けているので、数年後にはナンバーワンのカード会社になれると確信しています」

 ──海外展開については

 「米国で会社を作り、提携カード方式で事業を展開しています。台湾でも免許が取れたので、今年中にカードを発行したいと思います。楽天市場が台湾で成功しているので、カードも日本と同じように台湾でも成功できると考えています」

 【1期生】

 「大東文化大に法学部が新設され、1期生として入りました。兄が大東文化大に入っていて、面白いから来ないかといわれた影響もあります」

 大学では国際法を、大学院では手形小切手法も学んだ。「そこで、これからはカードが伸びるということも頭に入りました。そうするうちにオリックスが新しい信販の子会社を作るというので、ここでも1期生として入社しました」

 【宮内イズム】

 オリックスグループといえば、宮内義彦前CEOの存在が大きい。「僕が入社したころは宮内さんはグループの社長になっていたので、直接教わる機会はありませんでしたが、商売はどうやって事業を起こして、収益に結びつけるかという教育はいまでも生きています」

 【プロ野球】

 前職のオリックスグループと、現在の楽天グループに在籍中、いずれも親会社がプロ野球チームを買収し、日本一になっている。「転職は1度しかしていないのですが、不思議と野球に縁がありますね」

 【ネット金融の草分け】

 実は、インターネットを通じた消費者金融ビジネスを最初に始めた1人だという。当時のパートナーはサイバーエージェントの藤田晋社長。「藤田くんと二人三脚で、彼が代理店事業、僕が企画を担当する形で、ネットでのファイナンス(融資)事業を始めました。低金利で無店舗、電子メールを使ったマーケティングなどに取り組みました。オリックスが業績を伸ばしたことで、ネットのファイナンスも広がっていきました」

 【転職】

 楽天の三木谷浩史社長との出会いが転職のきっかけとなった。「楽天とタイアップできないかなと思って、藤田くんを通じて会ったのですが、三木谷さんはカード事業を誰かにやらせたいと思ってたんでしょうね。会ったその日に『カード事業をやってくれませんか』と言われて。その年のうちに49歳で転職しました。オリックスにいてもよかったのですが、性格なんでしょう。面白いものがあると飛び出てしまう。やってみたくなったんですね」

 【酒】

 すし店では白ワイン、仲間とは芋焼酎のお湯割りをたしなむ。

 【お気に入りの一冊】

 山田風太郎の『人間臨終図巻』。

 【座右の銘】

 《桜梅桃李(おうばいとうり)》桜、梅、桃、李(すもも)それぞれの花の特徴を生かしていくという意味。「人を見るときも桜梅桃李の目線で理解し、評価することが重要だと考えています。勝ち組と負け組を分けることも好きではないですね」

 ■会社メモ 楽天の100%子会社で、クレジットカード事業を手がける。本社・東京。2004年あおぞらカードを楽天が買収、楽天クレジットへ社名変更。09年カードローン事業をイーバンク銀行(現楽天銀行)に分割譲渡。11年楽天KC(現KCカード)の「楽天カード部門」を事業承継し、現社名に変更。13年12月期の売上収益は768億円、営業利益は125億円(楽天の決算資料から)。

 ■穂坂雅之(ほさか・まさゆき) 1954年7月生まれ、60歳。北海道夕張市出身。10歳ごろから中高まで静岡県富士宮市で過ごす。大東文化大法学部卒、同大学院を経て1980年4月、ファミリー信販(現オリックス・クレジット)入社。2003年楽天入社。06年楽天クレジット(現楽天カード)社長、07年同社副会長、08年楽天KC社長、09年から楽天クレジット(同)社長。13年から楽天Edy社長、14年から楽天代表取締役副社長執行役員も務める。

 

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