“他にはないもの”目指せ 「私はこうして発想する」大前研一著

2014.09.26


大前研一(著)「私はこうして発想する」(文藝春秋)【拡大】

 経営コンサルタントとして、世界的に著名な大前研一氏は、ビジネス・ブレークスルー大学院大学の学長でもある。著書「私はこうして発想する」のなかで、新しいアイデアを生み出す過程を、6つのメソッドにて紹介している。

 1つ目のメソッドは「先入観を疑う」である。物事を自分の先入観の範囲でしか見ていない場合があり、「『見る』という行いが、自分の先入観を確認・固定する作業にしかなっていないことがある」と指摘する。たとえば、少子化は大学の危機かというと、そうではなく、社会人を取りこむという方法もあるなど、発想自体が自分の思っているだけの先入観ではないかと疑ってみることが必要だ。

 2つ目は、ひらめいた発想を伸ばすために「ネットワークがどうなっているのか」を考えてみる。ある商品が消費者に届くまで、どんな経路があるのかなど、事業者から消費者までのつながりを考える。

 たとえば、ネットユーザーから見たとき、どこのメーカーにも属さず、商品を比べられるコンテンツが一番優れている。こうした無任所中立のネットワークで、消費者が複数の会社の商品を比較できるようになると、自らの好みや希望価格で、商品を買う消費者が増えてくる。

 そうすると、企業側が熱意で押す形の営業ではなく、選択の幅を提示して、消費者の満足度(CS)を向上する方向へ転換する必要性が出てくる。

 メソッド3では、“他にはないもの”を目指す。ここでは「幕の内弁当」対「一品料理」をあげる。1980年代CNNを創設したテッド・ターナーは、ケーブルテレビに、ニュースの専門チャンネルだけを流した。

 これまでの「幕の内弁当」的な大手のネットワークに対して、ニュースという「一品料理」で挑み、圧勝した例を紹介して、他にはないものを発想することで成功をつかみとれるという。

 その他にも、歴史から教訓を引き出すことや、敵(顧客)の立場になって検討すると、発想がよりブラッシュアップされる。

 また、アイデアは複数で議論した方がよいものが生まれるとし「討論する」などの手法もあげている。現代を生き抜くために必要な発想におけるスキルが、ここには詰まっている。

 【類書紹介】

 同じ著者による「考える技術」「『知の衰退』からいかに脱出するか?」もある。

 ■この本のポイント
 ◯発想自体が自分の思っているだけの先入観ではないのかと疑ってみる。
 ◯発想を伸ばすためには「ネットワークがどうなっているのか」を考える。
 ◯敵(顧客)の立場になって検討すると、発想がよりブラッシュアップされる。

 ■多田文明(ただ・ふみあき)1965年生まれ。ルポライター。自己啓発書の説く内容を実践レポートした「崖っぷち『自己啓発修行』突撃記」(中公新書ラクレ)を執筆するなど、自己啓発書ナビゲーターとして活動する。詐欺・悪徳商法にも詳しい。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。