龍角散、藤井社長 創業メーカーを提携先に譲渡 再生のカギは選択と集中 (3/3ページ)

2015.01.20


藤井隆太社長(撮影・矢島康弘)【拡大】

 【斎藤秀雄】

 小澤征爾氏はじめ多くの人材を育てた希有の音楽教育家だが、藤井氏は中学時代、最晩年の斎藤氏の謦咳(けいがい)に接した。

 「オーケストラに入るに際して、最初に言われたのは『1人欠けても、1人失敗してもオーケストラは成り立たない。それが嫌なら最初からくるな』。徹底的に練習し、極限まで完成度を上げることを求められました。だから、先生が指揮すると中学生でもこれだけ素晴らしい音が出せるのかと感動したほど」と回顧する。

 「強い組織はオーケストラと同じ。誰もが錬度を高め、同じ間違いを犯さないようにすること。また『オレだけがさぼっても、失敗してもいい』という甘えを許さないことです」

 【メカマニア】

 音楽家にはメカマニアが多いというが、藤井氏もその1人。かつて伝説の名車「スバルレオーネ初代」の中古を、部品を買い集めて組み立て直して乗っていた。今は「スバルR 2」が愛車。「週末、ボランティアで教えている高校まで行くには、これで十分」と話す。

 【立ち食いそば】

 本社近くにある立ち食いそば店に週1回顔を出す。「毎日でも行きたいほど好きなのですが、つゆまで飲んでしまうので…」。健康に配慮して週1回に。「なぜかおやじはずっと東中野の公団住宅に住んでいた。だから私も庶民的なものが好きなんですよ」と笑う。

 【会社メモ】東京都千代田区に本社を置く医薬品メーカー。「日本ののどを守って200年」を標榜する。江戸寛政年間、秋田藩佐竹家の御殿医だった藤井家が調合した喘息治療の和漢生薬製剤「龍角散」を、明治期に4代目、得三郎氏が微粉末状に加工発売し、今日の基礎を築く。最近では、旧縁の地、秋田県での生薬栽培国産化にも挑む。資本金6000万円。売上高69億円(2014年3月期)。従業員数110人。

 ■藤井隆太(ふじい・りゅうた) 1959年、東京都生まれの55歳。82年、桐朋学園大学音楽学部卒業後、パリに留学。フルート奏者として腕を磨くという異色の経歴を持つ。84年、小林製薬に入社。営業、マーケティングを経験後、三菱化成工業(現・三菱化学)へ。8年間在籍ののち、父、康男氏の病気により呼び戻され、94年、龍角散入社。翌年、社長に。創業家8代目。家庭薬メーカーのまとめ役も務める。

 

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