教育出版社の役員を脱サラ エコ技術で町づくりを構想

2015.08.14


自ら設計した旅客用ソーラーボートの写真をバックに堀内さん【拡大】

 名前は宗教関係の組織みたいだが、仕事は最先端の科学技術を応用した製品開発や町づくりのコンサルティング。「光と風の研究所」代表の堀内道夫さん(77)は、サラリーマン時代から世の中をビックリさせるような研究開発に取り組んできた。

 東京・渋谷の事務所で、まずは膨大な研究業績の説明を受けた。「実にいろんなことをやってますね」と感想を漏らすと、「いまやりたいことが50ぐらいある」と答える。

 静岡大学工学部を卒業後、大日本印刷へ入社。当時は事業の多角化を進めていた時期で、新しいプロジェクトに従事。その後、ヘッドハンティングされ、教育出版社「新学社」に転職。教育にビデオやコンピューターを利用する研究部署の責任者を任され、常務取締役にまでなった。

 「もうかっている会社だったから、やりたいことが自由にできる」恵まれたサラリーマン生活を送った。

 1992年に車が1台買えるぐらいの費用をかけて、渋谷区富ヶ谷の自宅に5キロワットの太陽光発電を設置。旧通産省の太陽光発電補助金制度第1号で、これが自然エネルギーにのめり込むきっかけとなった。「新しい技術とか面白いことにすぐ飛びつく性格でね。オッチョコチョイなんです」と笑う。

 役員定年まではだいぶ間があったが、社長に「僕も技術屋ですから、手を動かして何か創る仕事をしたい。辞めさせてほしい」と99年に退職。翌年、光と風の研究所を立ち上げた。太陽光、風力、小水力、バイオマス発電など自然エネルギーの導入コンサルティングを中心に、ITを活用した町づくりのプロデュースにも取り組む。静岡大学工学部客員教授を務め、年間20回以上の講演をこなす。

 手がけるプロジェクトは大きいが、研究所スタッフは4人と小世帯。「外部スタッフは20人ぐらいいます。研究所を大きくしてもうけよう、なんて考えていません」

 10数年前から、光に関する知識への理解を深めるための「光の博物館」を作る構想を描いている。「光と生命、光と環境、光と文化、光と美術など、光のことはここへ行けばすべてわかるというものを作りたい」と言う。

 今年は国連が定める「国際光年」でもあり、構想に関心を示す自治体がいくつか出てきているというから、実現する可能性は大いにある。

 ■大宮知信(おおみや・とものぶ) ノンフィクション・ライター。1948年、茨城県生まれ。中学卒業後、東京下町のネジ販売会社に集団就職。ギター流し、週刊誌編集者など二十数回の転職を繰り返し、現在に至る。政治、経済、社会問題など幅広い分野で執筆。『平山郁夫の真実』(新講社)『死ぬのにいくらかかるか!』(祥伝社)など著書多数。

 

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