どん底生活からの再挑戦 元女優・モデルが演歌で復帰

2015.08.28


スナックでキャンペーン中の絵川ゆうこさん【拡大】

 女優・モデルから主婦、そして歌手の道へ−−人生の折り返し点を過ぎて3度目の転身を図る。シニアの“新人歌手”絵川ゆうこさん(64)は、若い頃、映画やTVドラマ、CMに出演していた。週刊誌の表紙モデルに起用されたこともある。

 東京・麹町の裕福な家に生まれ、幼少期は「優雅な暮らし」をしていた。20代後半に結婚し、芸能界から引退。子宝にも恵まれたが、幸せな生活は長く続かなかった。「衣料品関係の会社を経営していた夫が、友人の借金の保証人になったばかりに、一文無しになって」抵当に入っていた家は取られ、食べるものにも事欠く借金地獄のどん底生活。自殺の名所富士山麓の「青木ヶ原樹海へ行こうかな」と思ったこともある。

 はい上がるきっかけは、歌。泣き暮らす日々を送りながらも、CDでケイ・ウンスクやキム・ヨンジャの歌に耳を傾けていると「生活の苦しさを忘れるんです。自分でも歌を口ずさむと心が癒やされるように」なった。

 なぜ歌手になろうと思ったのかという問いに、絵川さんは「後ろを振り向いたら水に流された雪みたいで、自分の足跡がない。私は何のために生きてきたのか、このままでは死んでも死にきれない」と思ったからだと答えた。

 インディーズ(自主制作のCD)演歌の歌手。女優時代にダンスや演技などの基本を一通り勉強したが、歌は素人同然だった。カラオケの先生について修業し、5年前に『きがかり』(リバーサウンドミュージック制作)でCDデビューを果たした。

 念願の歌手になったとはいえ、下町の居酒屋などへキャンペーンに行くと酔客に絡まれたり、ママさんに「何しに来たの」といわれる。そんな下積みの苦労もどうってことはなく「歌えることが楽しい」。

 お笑い芸人の野口寅次郎さんとコンビを組み、映画「男はつらいよ」に度々登場するマドンナ、どさ回りの歌手リリー役でお笑いにも挑戦している。確かに、陰のある美熟女的容姿は何となく寅さんの恋人、リリーに似ている。地方テレビ局の歌番組や歌謡ショーにゲストで呼ばれるようになり、ギャラも少しずつ出るようになった。

 この世からサヨナラしようと考えたこともあったが、いまは「生きててよかったと思えるようになりました」と笑みを浮かべた。

 ■大宮知信(おおみや・とものぶ) ノンフィクション・ライター。1948年、茨城県生まれ。中学卒業後、東京下町のネジ販売会社に集団就職。ギター流し、週刊誌編集者など二十数回の転職を繰り返し、現在に至る。政治、経済、社会問題など幅広い分野で執筆。『平山郁夫の真実』(新講社)『死ぬのにいくらかかるか!』(祥伝社)など著書多数。

 

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