東京都三鷹市にある“シニアSOHO普及サロン・三鷹”は、シニアの「居場所」と「出番」を創り提供している、コミュニティービジネス型NPOの草分け的な存在だ。今年で17年目を迎える同NPOでは、多岐にわたるさまざまな事業を展開している。現在、三鷹市役所庁内PCヘルプデスク事業のプロジェクトリーダーを務める角田宥子(つのだ・ひろこ)さん(68)に話を聞いた。
■身に付けたパソコンのスキルで再就職
プログラマーとして建設コンサルタント会社で3年間勤務した後、結婚を機に退職した角田さんは、40歳まで子育てや介護に忙しい日々を過ごしていた。しかし、その間もいつか再就職ができるようにと、パソコンの勉強を続け専門学校などに通いスキルのキャッチアップに努めていたという。
1990年、パソコン普及率が急速に上昇し、パソコン・インストラクターなどの求人が増え始めたころ、角田さんは日立製作所に中途採用され正社員として働き始める。
「ちょうど、大手企業でパソコンが1人に1台の時代になって、社員全員にパソコン教育が必要になったときでしたからね。うまく時流に乗れて再就職できました」と、角田さんは当時を振り返る。
その後、約12年の間、身に付けたパソコンの知識とスキルを駆使し、社内のさまざまな部署やグループ会社・関連会社などにも教えたり、それらの管理業務の責任者となって多忙な日々を送っていた。