地震への備え(8) 協力準備が復興のカギ

★地震への備え(8)

2016.06.30

強い揺れで共用廊下にコンクリート片が散乱した(提供・熊管連、稲田雅嘉副会長)
強い揺れで共用廊下にコンクリート片が散乱した(提供・熊管連、稲田雅嘉副会長)【拡大】

 被災したその晩、どう行動するか。マンションでの復旧工事には、所有者の合意が必要となる。早い段階で協力体制が作れるかが復興計画にも影響を及ぼす。ポイントは、安否確認と情報共有、集会室の活用だ。

 「強い揺れのあと、マンション内にいた人が前の公園に集まった。部屋番号を順に呼び、いない人には電話したり玄関ドアをバールでこじ開けたりして全員の無事を確認した」

 熊本県マンション管理組合連合会(熊管連)の平江澄雄会長は、自身が居住する73世帯のマンションの“その日”を振り返る。

 そのまま集会室に「対策本部」を設置した。被害が大きく室内に居住できない人向けに仮住まい先としても提供。照明を24時間つけっぱなしにして、防犯対策にも役立った。

 翌日の夜から炊き出しを開始。各居住者が冷蔵庫内の食材やカセットコンロを持ち寄り、集会室に集まった。1升の米を炊き、肉を焼く。30人以上が顔を見せている。管理組合では2年前、あえて食料の備蓄を中止。居住者からの食料の供給を視野に入れたからだ。

 引っ越しする人から不要なレンジや冷蔵庫を引き取って集会室に置いており、役立った。運よく停電は起きず、調理はスムーズだった。

 食事を共にすれば、不安の減少につながる。話したことがない人同士が「避難所はどこ?」などと顔見知りになるきっかけにもなった。建物の被災認定や復旧に関する話題も持ちあがった。

 「この時点でマンションの修繕について話せたのはよかったと思う。全員で取り組んでいくものという意識が伝わったはず」(平江さん)

 すでにマンションでは復旧委員会を結成し、話し合いを開始している。ただ、復旧のための工事費用が不足する懸念が出てきた。修繕積立金を戸当たり平均月1万円程度、値上げしなければならなくなるかもしれない。

 平江さんは「情報共有はしてきた。説得できるような資料を示していけば、理解してもらえるだろう」と話している。 (不動産・住生活ライター 高田七穂)

 

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