日本の賃金はなぜ十分に上がらないのか 正社員制度やガバナンス偏重が弊害に (1/2ページ)

2016.07.21

連載:経済快説

 日本の賃金がなかなか上がらない。円高などで、企業の業績には一服感が出てきたが、それでも前年度の業績はおおむね好調だった。また、有効求人倍率に至っては5月の数字で1・36倍とバブル期以来の高さで、人手不足の声も聞かれる。

 しかし、政府の異例のベア要請にも関わらず、今年の春闘は全く盛り上がりを欠いた。

 全産業の現金給与総額は今年4月の数字で前年度比プラス・マイナスゼロだ。

 賃金が継続的に上昇する環境にならないと、政府・日銀が目指すマイルドな物価上昇は達成できない。特に、正社員サラリーマンの賃金が政府の希望するように上昇しないのはどうしてか。

 理由は3つ考えられる。

 1つには、現在の日本の正社員の制度が、企業にとって「重過ぎる」からだ。月給は、一度上げるとなかなか下げにくいが、これに加えて、正社員は解雇しにくい。企業は、もともと、正社員の雇用に慎重だし、加えて、固定的なコストになりやすい正社員の給与の引き上げに慎重になる大きな理由がここにある。

 企業の当面の収益が良くても、企業は給与よりは増減のしやすい賞与で社員の報酬を払いたいし、人手が不足しても、人員削減が容易な非正規社員で手当てして、将来の固定的費用が大きくならないように備えたい。

 第2の大きな要因として、現在、政府も主導しつつだが、日本の社会が企業に対して株主への利益配分を強く求めていることの影響がある。

 

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