移住を考えたなら(4) 都会と違う人間関係

2016.07.28

地方ならではのイベントやコミュニケーションは大きな魅力だ
地方ならではのイベントやコミュニケーションは大きな魅力だ【拡大】

 移住の不安について「人間関係」と答えた人は、3割超にのぼる(内閣官房、2014年)。知り合いのいない地域に住むなら、飛び込む覚悟が必要だ。しかし、中高年になってからの新しい関係になじめない人もいる。

 3年前に地方の田園地帯に移住したFさん(66)は、「山並みが見える景色は本当に素晴らしい。けれども、外に出るたび『どこに行くの。何買ってきたの』と聞かれてきつかった」と振り返る。今は、同じ県内の中心部に住む。病院や駅は徒歩圏。便利だが、「野菜作りをやめて、テレビの時間が増えてしまった」(Fさん)。

 移住先として人気のある自治体の担当者は「都市部で暮らしてきた人と地元の人との感覚の違いは大きいと思う。地方にもよるだろうが、周囲の人と無関係では暮らせないのでは」と話す。

 近隣に越してきた移住者と仲良くなりたいと思う人は少なくない。なかには、自分で作ったトマトやきゅうりを毎日のように持ってきて、関係を作ろうとする人もいる。一方、移住者側は、もらうばかりだと負担に感じることもある。「『いただくお礼に』と移住者が畑で作っていたトマトをあげて関係がこじれた話がある」と先の担当者。

 「トマトは誰でもたくさん作っている。味の違いは明らかで、もらってもうれしくない。お返しは求めていないし、先住者側に純粋に支えたい気持ちがあることを理解してほしい」と説明する。

 さらに、よくあるのが「通りかかったから車で送ってあげる」というケース。ここでも「買った品やお金でお礼をしたがる人がいるが、それを失礼と思う人もいる。十分にお礼を伝えて『野菜作りを教えてください』などと、素直な気持ちを表すのがよさそう」と話す。お礼は、「『子供が送ってくれたから』などと、届いたものをおすそ分けするのがよいかも」(同担当者)。

 もちろん、地域や風土によって慣習は異なり、一概にお礼が不要なわけでもない。移住に限らず、新しい環境に入るときは、教えてもらう気持ちを忘れず、上手に人間関係を築きたい。 (不動産・住生活ライター 高田七穂)

 

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