経済界に欠ける「日本第一」主義 トランプ氏「米国第一」主義の意味合い (1/2ページ)

2017.01.13

 2017年はトランプ米政権の発足により、自由市場経済への通念が大きく変わろうとしている。投資は利益の最大化を求める企業の自主判断にまかせるという建前が崩れ、政治がビジネス活動に口を出しても当たり前の時代になってきた。

 トランプ次期大統領が繰り出す短文の「つぶやき」(ツイッター)の威力はすさまじい。フォード・モーター、キャタピラーなどの米大手企業はメキシコ投資計画が批判されると、ただちに撤回を表明した。ツイッター爆弾はトヨタ自動車の頭上でも炸裂(さくれつ)し、豊田章男社長はさっそく米国での記者会見で、今後5年間で米国に100億ドル(約1兆1600億円)を投資すると釈明する具合である。

 米国が自由主義の本家を自認するなら、「政治はビジネスに介入するべきではない」との猛烈な反発が起きるはずなのに、気配はほとんどない。米国がそんなざまだからトヨタが慌てるのは無理もないが、メキシコ投資は予定通り実行するとも断言し、グローバル企業のスジを通すところは、称揚されるべきか。

 それでも重視すべきは、トランプ氏の「米国第一」主義の意味合いである。そのフレーズを「本国第一」と言い換えて、日本に適用すれば「日本第一」となる。それを安倍晋三首相が唱え、経団連メンバー企業に「対中投資をやめて日本に投資せよ」と言えばどうなるだろうか。中国市場からの撤退を考えている企業はともかく、これからも追加投資を計画している自動車大手などには馬耳東風だろうし、新自由主義思想を米国留学で身に付けた経済産業省などの官僚たちも「総理、それはダメです」と抑えにかかるだろう。

 

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