3連休明けの14日の日経平均は大幅に反落した。終値ベースでは、昨年12月17日以来、約1カ月ぶりに節目の1万5500円を割り込んだ。昨年12月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に下回ったため、円相場が急激に円高に振れたことが嫌気された。
しかし、翌15日の日経平均は大幅反発した。昨年12月の小売り売上高が前月比0・2%増と、市場予想の0・1%増を上回ったため、米国株が反発し、円相場が大幅下落したことが背景だ。このように、年初から日経平均は円相場に右往左往する格好で、不安定な値動きを続けている。
このような投資環境では、主力株は避け、個人投資家の関与率の高い、小型材料株を狙いたい。
まず、「ラサ工業(4022)」は14年3月期第2四半期業績が上振れるなど、足元業績が好調な低位材料株として注目する。14年3月期通期連結業績予想は、売上高は215億円(前期比10・9%増)、営業利益は10・5億円(同41・5%増)の見通し。
ちなみに、同社は放射性物質で汚染された土壌から汚染濃度が高い土砂分を分離・回収する装置「グラインドウォッシャー」を開発した。これも買い材料だ。砂利や土壌の洗浄、サイズの異なる粒子の分離、ゴミの除去の3工程を集約した。3工程を集約した装置は例がないという。
次に、「オーミケンシ(3111)」は、新しい高機能繊維「ECF(エコロジー・クリーン・ファイバー)」の研究開発に取り組んでいる。これが注目材料だ。生分解性と再生産性に優れた「レーヨン」繊維をベースに、天然由来成分による付加価値をプラスした新しい機能性レーヨンを独自の技術で生み出している。
なお、同社は繊維各部門についてレーヨンの国内販売強化に取り組むとともに海外展開を図った。この結果、14年3月期第2四半期連結累計期間の売上高は71・88億円(前年同期比4・3%減)、営業利益は2・06億円(同236・1%増)だった。
そして、「ジオマテック(6907)」は超薄型・全固体の二次電池を手掛けており、メガネ型や腕時計型など体に着用して使う「ウエアラブル端末」関連銘柄として注目する。
開発中の薄膜二次電池そのものの厚さは数μm。集電体や電極のすべてが薄膜のため保持する基板が必要だが、現状最も薄いとされているポリマー電池と比べても、より薄型、軽量化を実現。120℃までの耐熱安定性を実現し、薄膜固体でありながら、1万回以上の充放電のサイクル安定性を実現。
そして、プラスチックやフィルムなど可撓性基板を使用することにより、曲げられる二次電池になるという。 (株式会社カブ知恵 代表取締役・藤井英敏)