【元文春エース記者 竜太郎が見た!】医療用大麻を都合よく語る高樹沙耶被告 快楽を得るための吸引では

 「この度の事件に関しまして、私は逮捕されたことをありがたく思っております」

 沖縄・石垣島(沖縄県石垣市)の自宅に大麻を隠し持っていたとして、大麻取締法違反(所持)の罪に問われた高樹沙耶(本名・益戸育江)被告(53)に対し、那覇地裁は4月27日、懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)の有罪判決を言い渡した。

 閉廷後の会見で、彼女は開口一番、冒頭のように切り出し、昨年10月の逮捕からの半年間を「人生を振り返る時間をいただいた」と語った。青いプリントのノースリーブブラウスに黒いパンツ姿。カメラの前で背筋をピンと伸ばし、凛と発する声はまさに女優の貫禄。

 「有罪判決を言い渡された際も動じる様子はなく、移動の車中では笑顔を浮かべる余裕も見せ、終始毅然(きぜん)たる態度で臨んでいました」(社会部記者)

 そんな彼女が会見で涙を浮かべ、声を震わせたのが、医療用大麻合法化への自身の取り組みについて語った場面だった。

 「皆さまにご理解いただきたいのは、決してふざけた気持ちで大麻草に向き合ってきたわけではなく、本当に医療で困っている方のために使うことになったら、という思いで頑張ってまいりました。それだけは信じていただきたい」

 その信念をもとに、高樹被告は昨年は新党改革(解散)から参院選に立候補したが落選。「大麻女優」と呼ばれ、苦しんだことを振り返り、「今回の逮捕ですべて失うことになってしまいました」と吐露。今後、医療用大麻合法化活動については「第一線から退く」と説明した。

 しかし彼女が強い思いを言葉に乗せれば乗せるほど、私はいちいちひっかかる。そもそも、自分が快楽を得るために大麻を吸引していたんじゃないのか。

 石垣島のコミューンでラリっていたなら、「本当に気持ちよかったから大麻を吸いました」と言ってくれたほうがかえってすっきりする。

 親知らずの抜歯の痛みを和らげるために大麻を使用したというが、そんなの信じる人はいるのだろうか。ましてや医療弱者を慮ったふりをして自分の過ちを正当化する主張は、なにをか言わんやである。

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』を出版。