【元文春エース記者 竜太郎が見た!】「小池知事の腹心vs猪木」場外乱闘の行方 “公金横領疑惑”背後に小池憎しの自民党勢力との憶測も

 「元気ですか? 元気があれば何でもできる。元気があればカネをくすねちゃいけない!」

 18日、永田町の参院議員会館でこう切り出したアントニオ猪木参院議員(無所属)。この人が登場すると、やはりメディアも注目する。私も取材したが、目の前の同氏は怒り心頭。

 「週刊新潮」が報じた、小池都知事の特別秘書で「都民ファーストの会」の野田数(かずさ)代表の“金銭疑惑”を受けての会見で、都議選(7月2日投開票)直前の爆弾発言となった。

 現在、都知事の懐刀として新党躍進の鍵を握る野田氏だが、2013年7月から約1年間、猪木氏の政策担当秘書を務め、会計責任者でもあったという。

 猪木氏によれば、野田氏は国会議員に月額100万円支給される文書通信交通滞在費から総額820万円、当時猪木氏が所属していた日本維新の会を通じて得た政党助成金から300万円をそれぞれ着服したと指摘。

 事務所名義の口座から不審な引き落としがあったことなどから判明し、2014年7月、金銭管理を担当していた女性秘書M氏とともに野田氏を解雇したという。

 「トータル的には4000万円近い話」と猪木氏は説明。そのうち証明できる金額を1120万円とし、2014年末に業務上横領容疑で警視庁に告訴状を提出。しかし今日まで捜査は動いていないという。

 なぜこのタイミングで発表したのかという質問には、政局絡みではないと否定し「今回の件はプライベートなことではなく、公金という問題が絡んでいる。国会議員である以上、きちんと見ていかないといけないと反省している」。そして「なにかあるなら(野田氏が)名誉棄損で訴えてくれてもいい」と強気で締めくくった。

 一方、野田氏は弁護士を通じ、「全て猪木氏の指示に基づいて、正当な使途に使用したことは間違いなく、私的に流用したという事実は全く根拠がありません」と疑惑を否定する文書を発表。「都民ファーストの会」の信用や評価を損なうとして、猪木氏や新潮社に対し名誉棄損の刑事告訴を検討していることを明かした。

 思わぬ時期に「都知事の腹心vs猪木」の場外乱闘となったが、「猪木議員の背後に、小池憎しの自民党勢力がいるという憶測が飛んでいます」(永田町関係者)。

 今後の成り行きが注目される。

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』を出版。