【元文春エース記者 竜太郎が見た!】田中聖容疑者、「いかにも」な界隈での逮捕劇 アダルトショップにはパイプも…警察官発見で車ダッシュ

 「まさか」「ウソでしょ」-。大麻取締法違反(所持)で現行犯逮捕された歌手の田中聖(こうき)容疑者(31)。ジャニーズファンは衝撃を受けただろうが、個人的な感想は「やっぱりな」。芸能人仲間は「ヤンチャだけど礼儀正しくてかわいい奴だった」とコメントする。しかし“元KAT-TUNの問題児”が遅かれ早かれこうなるのは予想できたはずだ。

 5月24日午後6時頃、渋谷区道玄坂のホテル街。パトロール中の警察官が急にスピードを上げた車両を不審に思い、停止を求め職務質問。運転手は田中聖で、他に同乗者はいなかった。

 調べると運転席と助手席の間から乾燥大麻と吸引用の巻紙が見つかった。大麻は通称「バッズ」という大麻の花穂部分を集めたもので、THC(テトラヒドロカンナビノール)という幻覚作用をもたらす成分が草や茎の部分に比べて約4倍含まれた強力なものだ。

 本人は「車内にあった大麻は自分のものではない」と供述している。「誰かに仕組まれた罠だ」と陰謀説を語る可能性もあるだろうが、車両は田中自身の名義だし、そもそもなぜ、この界隈にいたのだろうか。

 私は幾度となく薬物取材をしているが、ここは麻薬取引が盛んだった場所で、日本中を騒がせた大物女優の覚醒剤事件の端緒となった、彼女の夫が逮捕された場所でもある。入り組んだ路地は一方通行が多く、階段や袋小路もある。風俗嬢の待機場所や麻薬の売人の拠点となる古くからの賃貸マンションもあり、一角にあるアダルトグッズショップには嗜好品コーナーにさまざまなパイプが販売されている。

 警察の取り締まり前は外国人の立ちんぼもたくさんいた。田中容疑者がハマっていたと噂される「ハプニングバー」もあり、いかがわしくないと言えば嘘になる東京きっての“悪所場”だ。

 田中容疑者は「知り合いのところへいくために来て駐車場を探していた」と調べで話しているという。しかし現地の様子を熟知する身から言うと、あの狭い道を車でダッシュしたのだから危険極まりない。結構、通行人もいるから事故にならなくてよかったとも思う。

 それにしたって田中容疑者は警察官を発見してよほど焦ったのだろう。やましいことがなければ逃げることはない。案の上の逮捕劇だったのだ。

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』を出版。