【元文春エース記者 竜太郎が見た!】やんちゃ海老蔵を健気に支え…麻央さんから教わり続けた「愛」 多くの人に勇気と希望もらたし

涙ながらも気丈に会見した海老蔵。麻央さんは命をかけて何を遺そうとしたのか

 「昨日、妻が旅立ちました」

 歌舞伎俳優、市川海老蔵(39)が会見する姿を見て、思わず涙が出た-。

 6月22日、乳がんで亡くなった妻の小林麻央さん(享年34)。それを受けて、海老蔵は東京・渋谷で上演中の自主公演の合間に記者会見を開いた。冒頭、「わざわざご報告するようなことではありませんが、ご報告することもひとつ義務なのかなと思いました」と話し、気丈にあいさつした。

 海老蔵は、麻央さんの姉、小林麻耶と義母から容体悪化の知らせを受け、急いで帰宅すると、「麻央はまだこの世にいてくれた。一昨日まではしゃべれたんですけど、きのうからは話せず…」と状況を説明。

 さらに麻央さんのいまわの際を語った。

 「不思議な話ですが、息を引き取る瞬間を私は見てました。本当に不思議なんですけど、『愛してる』と言って、その一言を言って、それでそのまま旅立ちました」

 海老蔵は取材陣にきちんと伝えようと涙をこらえていたが、その場面を語るとき、こらえきれず大粒の涙をこぼした。

 海老蔵と麻央さんの間には、長女の麗禾(れいか)ちゃん(5)と長男、勸玄(かんげん)君(4)がいる。

 麻央さんは先月、在宅医療に切り替えた。自身の病状を察しての選択だとは思うが、幼い子供たちのことが心残りだったにちがいない。

 これまで私は海老蔵と麻央さんの交際と結婚、そしてあの“海老蔵事件”を取材してきたが、歌舞伎界のプリンス、やんちゃな問題児といわれた海老蔵をずっと陰で支えてきたのは麻央さんだった。

 彼女は歌舞伎界のしきたりを必死でおぼえ、世間の注視にも笑顔で振る舞ってきた。そしてブログで闘病記を発信し、多くの人に勇気と希望を与えた。そんな健気な妻のおかげで海老蔵自身も明らかに変わったと思う。先日の会見は、普通の人にはなかなかできないだろう。

 海老蔵は妻の残した言葉を思い、涙をぬぐいながらこう語った。

 「こんなに愛されていたのはわかってはいたんですけど、最期の最期まで愛していてくれたことに、なんとも言えません…」

 7年半の結婚生活。海老蔵は麻央さんからある大切なことを教わったという。

 「(彼女から)今後も教わり続けることは愛なんだと思います」

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』を出版。