【元文春エース記者 竜太郎が見た!】橋本市議、もはや「アウトです」 業者が覚悟の告白、架空発注疑惑は言い逃れできない決定打に

ほんとうにいいんですか、彼で。今井さん

 「今井絵理子」が溺れる「不倫市議」の怪しい政活費-。こう見出しがついた「週刊新潮」のスクープは、橋本健・神戸市議(37、自民党神戸市議団)を絶体絶命にする一撃となった。

 SPEEDの今井絵理子・参院議員(33)の略奪不倫報道から1カ月。恋人手つなぎ新幹線移動やバスローブ姿でホテル自室に招き入れる決定的場面を写真で報じられながらも、お互い「一線を越えていない」と押し切ったふたり。

 「政治の世界は一般人の感覚とはかなりずれていて、たとえ不倫で騒がれようが、本人が否定しているならば、政務とは関係ないとして咎めないし、議員を辞める必要もない。ただしカネの問題だけはアウトです」(政治部記者)

 橋本氏は「ハシケン通信」と題した広報チラシを2010年度からの5年間に50万部以上発行・配布。政務活動費として約720万円を受け取っていたのだが、架空発注の疑いを指摘された。

 会見を開いた橋本氏は「知り合いの業者にデザインを発注し、印刷自体は別の業者が請け負った」と疑惑をキッパリと否定。市民への配布については「証明できる資料等がない。どうしたらいいか悩んでいる」と謝罪。1回8万部のチラシの大半を「自分で投函した」と主張し、余ったチラシは破棄したため残っていないとした。

 橋本氏は大汗をかいた前回の釈明会見に続き、なんとかその場を乗り越えたかに見えたが、なんと、件の知り合いの業者がその主張を覆すようなコメントを発表したのである。

 「橋本市議から、実際には印刷の仕事をしないのに請求書と領収書だけ発行してほしいと頼まれて渡していたことがあった」

 「領収書などに記載する商品名や数量、金額などは指示されたとおりに記入した」

 しかし「橋本市議から、領収書や請求書に記載された金額やデザイン料などは、受け取っておりません」という。

 この証言が事実だとすると、刑法上の詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使の罪に問われることになる。弁護士に相談したうえ、共犯の疑いをもたれるリスクを負ってコメントした業者の覚悟を考慮すると、橋本市議の立場は相当に苦しい。辞職の意向を伝えているという。

 もはや「一線を越えていない」と言い逃れできる話ではないようだ。

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』を出版。