【壇蜜のもっとハァハァしてる?】憂鬱だった誕生日 将来の夢は…皆の失笑を買いながらの6年間

あの頃はまだまだ子供でしたから…

★其ノ弐百弐拾弐

 毎年、この時期になると、誕生日を無事に迎えられたことをありがたく思いつつ、父や母にも感謝するのが恒例です。誕生日付近だけに関わらず、日頃から感謝しなさいという話ですが…。

 偶然にも両親の入籍日と私の誕生日が一緒なので、「特別な日」感が普段の日々に勝っているのかもしれません。

 うれしい特別な日。それが誕生日というのはあまりにも当たり前かもしれませんが、小学生の頃を思い返すと、「誕生日を祝われているのに、なぜか緊張するなぁ」という瞬間があったことに気づきました。

 わが校は学年内で月ごとに誕生会的イベントを行うのが通例でした。イベント内容はゲームをしたり、おやつを食べたりと、これまたごく普通の内容でした。しかし、イベント冒頭に開催される「誕生日を迎えるお友達の紹介」というコーナーに対し、当時の私は並々ならぬ憂鬱さを感じておりました。

 憂鬱の原因、それは紹介のコーナーの内容でした。誕生月の生徒が皆の前に並び、名前、好きな教科、得意なこと、将来の夢を発表することが義務づけられていたのです。小学校になじめていなかった私は成績も要領も悪く、「なんでこんなことに…」と落胆する大人を見てきてしまったため、「紹介のコーナー」全てに触れたくない気持ちでいっぱいでした。

 年に1回、嘘でもいいからさっさと話してしまえばいいものを、当時はそんな適当な態度を思い付くほど賢くなかったのもまた悲しい。

 好きな教科はかろうじて及第点だった図工。特技はこれまたかろうじて形になっていた手芸。将来の夢は…まだ決まっていません、という「つまらなさ満点」の発表を伏し目がちにボソボソ話し、皆の失笑を買いながら、6年間を過ごしてきました。

 得意なことが見いだせないから、将来が見えないんだなぁとポンコツな自分を呪いつつ、イベントが早く終わってほしいと願ったものです。

 せっかくなので、今ここで同じことを行い、昔の私を成仏させようかと思います。

 齋藤支靜加です。好きな科目は解剖学、得意なことは愚痴を紡いでお金に変えること、将来の夢は両親をしっかり看取ることです。

 ■壇蜜(だん・みつ) 1980年12月3日生まれ、秋田県横手市出身。本名・齋藤支靜加。158センチ、B85・W60・H89。昭和女子大卒。環境省が任命する「省エネ住宅推進大使」。2018年1月27日公開「星めぐりの町」に出演。本連載などをまとめたエッセー集「壇蜜歳時記」(大和書房)も好評発売中。

 板尾創路とのテレビ埼玉「板尾壇(談)」(月曜午後11時半)、NHKラジオ第2「高校講座 保健体育」(水曜午後8時10分)、文化放送「壇蜜の耳蜜」(月曜午後7時半)に出演している。