【ぴいぷる】未唯mie、ピンク・レディー全盛期は「ブーム去るの楽しみだった」 未知が満たす“声春”ステージへ

未唯mie

 「チャレンジするのが好きで、楽しい。まだ眠っているものがある。まだ全部の自分と出会えていない気がするんです」

 大阪、名古屋、東京で行われる新春恒例のソロライブ「新春“Pink Lady Night”2018」は来年で9回目。ピンク・レディーのヒット曲が、総勢23人のビッグバンドによる奇想天外なアレンジでよみがえる。

 「世界16カ国の打楽器が入ったり、『ペッパー警部』が5拍子になったり、『サウスポー』が雅楽から音頭になったり、イントロだけでは何の曲かわからない。ピンク・レディーファンじゃなくても楽しめます。ライブのために習い始めた日舞の振り付けも年々ブラッシュアップされ、見せ方もどんどん面白くなっている。衣装も桂由美先生デザインの着物で、ロック調のアレンジにも合うように下はブーツ、足は開くような面白い着付けが見ものです」

 中学時代は演劇部。

 「両親が厳しく、自分の言葉で気持ちを表せなかったのが、台詞に乗せ、形を借りれば気持ちを表に出せて、うれしかった」と役者を志した。ただ、1人で挑んだオーディション番組「スター誕生!」で心変わりした。

 「森昌子ちゃんのデビューコーナーがある放送回で、ゲストの和田アキ子さんが昌子ちゃんを膝に乗せ、かわいがっている姿を見て、歌手になろうって。厳しい両親だったので、かわいがられることに飢えていたのかも」

 演劇部で歌手志望のケイ(増田惠子)と「クッキー」を結成。ホットパンツ、ブーツ、曲もダンサブルとピンク・レディーを彷彿とさせたが2人で出た「スタ誕」はオーバーオールの田舎者スタイルだった。

 「『スタ誕』の前に出場した『君こそスターだ!』で、審査員の先生から『新鮮味がない』と言われ、落選。で、ステージ慣れしていない初々しさや田舎臭さを前面に出そうと考えたんです。腹黒いでしょ?」

 作戦は成功。ただ、レコード会社にフォークソング路線希望と勘違いされ「白い風船」というデュオになりかけ、あわてた。幸い作詞家、阿久悠氏と作曲家、都倉俊一氏が加わったプロジェクトチームが立ち上がり、希望通りの「ピンク・レディー」が誕生した。

 デビュー後は2年間休みなし。「ペッパー警部」では1カ月あった練習時間も、「UFO」では本番前2時間と綱渡り状態。少しずつ周囲とのズレを感じ始めた。

 「練習する時間がほしい。プロらしい仕事がしたいと思っていました。実は、ブームが去るのを楽しみにしていたんです。楽曲もなんとなく子供に迎合してきているような…。ブームが去れば、自分たちがやりたい音楽を、落ち着いてやれるようになるよねって」

 それでも勢いは止まらず、米国進出、世界40カ国でデビューすることになる。

 しかし、終わりは突然やってきた。米国から帰国すると「解散・不仲説」「米国進出失敗」などとマスコミの猛バッシングが待っていた。

 「ずっと一緒にいれば、いろんなことがあるけど、解散なんて自分もケイも思ってもいないし、仲も悪くなかった。ケイの希望もあり日本に帰ってきたけど、3大ネットワークのNBCテレビでゴールデン枠番組をもらい、2本分放送を終え、視聴率は22%超え。6本契約を10本に増やしてほしいとも言われました。失敗って、どこにあるのって? 世間とのギャップがすごく、私たちの役割は終わろうとしているのかなって思い始めました」

 ケイの恋愛も重なり、その後解散。ただ、「役者になりたかったし、初心に戻ってスタート」と女優、絵本作家とさまざまなジャンルに挑戦したことで、「歌は自分の中にあるものを表にパーンと表現できるけど、お芝居は自分の中に思い高めて、にじみ出てくる表現。芝居でたまったモノを歌でまた別な表現にできるのが面白い」と歌の魅力を再認識したという。

 そんな思いを伝える場として選んだのは、ライブハウスだった。

 「村上“ポンタ”秀一さんと出会い、歌ったり踊ったりじゃなくて、音楽を掘り下げてみたいと思った。それでライブハウスで奏でることだけに集中し始めたら、まだまだ知らない、触っていない音楽があった。その深さや面白さ、楽しさを改めて感じたんです。ようやく自分がやりたかった音楽につながった感じ。これからも切磋琢磨し、私の歌を聴いた方の体や精神を癒やせるシンガーになりたい。またケイとも一緒に歌いたいですね」

 デビュー41年にしてまだ途上。飽くなき探求と向上心でシンガーを究める。(ペン・田中一毅 カメラ・前川純一郎)

 ■未唯mie(みい) 歌手・女優。1958年3月9日、静岡県生まれ。59歳。76年にケイ(増田惠子)とアイドルデュオ「ピンク・レディー」を結成し「ペッパー警部」でデビュー。「渚のシンドバッド」「UFO」などミリオンセラーを連発、人気は社会現象となった。81年の解散後は歌手、女優、絵本作家として活動。30日にピンク・レディーとして39年ぶりとなる「輝く!日本レコード大賞」(TBS系)に特別出演する。

 「新春“Pink Lady Night”2018」は来年1月5日、ビルボードライブ大阪(午後6時半、午後9時半開演)で開催。問い合わせは電話予約センター(電)06・6342・7722。6日に名古屋ブルーノート、14日には東京のBLUES ALLEY JAPANでも行う。詳細は未唯mieオフィシャルサイト(http://www.web-mie.com/)。