能年、SMAP事例で波紋 タレントへの取引制限は“独禁法違反”初見解に違和感口にする事務所

のん

 芸能人、スポーツ選手やフリーランスの契約慣行の問題を議論してきた公正取引委員会による有識者会議の報告書案の概要が28日までに判明した。所属するタレントや選手に対する過度な移籍制限や、フリーランスに他の企業との取引制限を一方的に課すことは独禁法違反に当たるとの解釈を初めて示した。

 所属事務所を辞めた人気芸能人が仕事を失う事例や選手の移籍制限など契約に関するトラブルは多々あった。こうした人たちは所属先に対して立場が弱く、人権上の問題も指摘されており、根強く残る不当な慣行に歯止めをかける狙いがある。

 独禁法は優越的地位を利用して不当な条件で契約を結ぶことを禁じているが、労働契約の問題で独禁法違反になった例はない。報告書案は法改正をしなくても適用対象にできると指摘。関係業界に違反がないかを点検するよう呼び掛けたい考えだ。

 公取委は来年2月に有識者会議の最終回を開催し、さらに議論を深めた上で、来春までに報告書を公表する。

 芸能界の契約や移籍を巡る騒動は後を絶たない。アイドルグループSMAPの解散は所属事務所からの独立か残留かを巡るメンバー間の確執が引き金だったと伝えられ、事務所の対応に賛否の論争が巻き起こった。

 NHKドラマ「あまちゃん」で人気者になった女優の能年玲奈は独立後「のん」と改名して活動を続けるが出演は激減。移籍の影響の重さが透けて見える。

 一方、ある大手芸能事務所担当者は「法律の問題にすべきことなのか」と違和感を口にする。無名の新人に多額の資金を投じて人気タレントに育てる事務所の立場からすると、公取委の指摘は納得がいかないようだ。