【元文春エース記者 竜太郎が見た!】小室哲哉“文春砲”の舞台裏  関係者「小室さんがインタビュー受けると言い出し周囲は驚き」

「罪を償う」と引退を表明した小室哲哉

 「文春に不倫疑惑で直撃されたあと、小室(哲哉、59)さんは、エイベックスと対策を協議したのですが、質問に対して文書で回答するだけで済ませるという選択肢もある中、小室さんが文春のインタビューを受けると言い出し、周囲は驚きました。記者会見を開くと決めたのも、引退を宣言すると決めたのも小室さん。休養にしたらいいという意見もあったのですが、本人は以前から才能の枯渇に悩み、自らの引き際を考えていたようで、今回の報道がきっかけと感じたようです」(エイベックス関係者)

 「週刊文春」が報じた「小室哲哉“裏切りのニンニク注射”」。2011年10月にくも膜下出血で倒れ、現在も療養中の妻、KEIKO(45)を彼女の実家に帰し、30代の美人看護師を自宅に泊めたり、高級ホテルで密会していたりという内容だ。

 日本の音楽史上で最も成功した小室は1996年から2年連続で年間所得20億円以上。ピーク時には100億円以上の資産があったとされるが、97年に海外の配信事業で失敗、巨額の負債を抱え、ついには2008年に著作権譲渡による巨額詐欺事件で逮捕された。

 天国から地獄に落ちた彼を支えたのが糟糠の妻だったのだが、文春は彼女に対する“裏切り”行為だと報じたのである。

 それを受けての会見は本来、釈明の場となるはずが、小室が「この騒動のけじめとして、引退することを決意しました」と発言し報道陣は騒然、趣旨が大きく変わった。

 冒頭はKEIKOの病状について語られ、身体的には普通に見えるものの脳機能障害により、「夫婦として、大人の女性としてのコミュニケーションが日に日にできなくなってしまった」という悩みを吐露。3年ほど前から小室自身も疲れ果ててしまったことを告白。さらに自身もC型肝炎で闘病したことを明かし、その後、現在まで突発性難聴、摂食障害、耳鳴り、睡眠障害に苦しんでいるとした。

 その間に件の看護師が付き添ってくれたと説明し、不倫関係は否定。質疑応答を含めた約1時間40分の会見は、小室のこれまでの葛藤と苦悩を吐き出すかのようだった。病身の妻の看病はさぞかし大変だったろう。誰もが身につまされる話だ。光と影を見て、希望を失いかけ、さらに老いという逃れようのない現実を抱える小室に他人事ではない共感を抱く。

 素直で愚かしい彼を見て、応援したいと思った。しかしあえて言う。最悪な状況でも希望はあるし、まだまだ責任もある身だ。軽々に引退を口にするのではなく、来るべき復活のための休業にすべきではないか。

 ■中村竜太郎(なかむら・りゅうたろう) ジャーナリスト。1964年1月19日生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から文藝春秋「週刊文春」編集部で勤務。NHKプロデューサーの巨額横領事件やASKAの薬物疑惑など数多くのスクープを飛ばし、「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」の大賞受賞は3回と歴代最多。2014年末に独立。16年に『スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ』を出版。