【泉谷しげるの毒舌コラム オレに言わせろ!】「第三者」が本気で相撲界を改革できるのか? 国技を運営する者は「新しさ」に敏感でないとナ

誰もが命を賭けてやっているンだが…

 あれだけ話題になった相撲界だからね、テレビで「初場所」見てしまったぜぇい! なンか起きるンじゃないかと好奇な目で見ていたが、ホントに起きるとは…。

 セクハラ行為で出場停止処分となった立行司、式守伊之助に代わり大相撲初場所の結びを裁く三役格の式守勘太夫が初日の結び前、稀勢の里と貴景勝の一番を差し違えてしまったのだ。

 物言いがつき、貴景勝の勝ちとなったが初日の注目勝負のひとつだっただけにイチバン目立ってしまったよな。「こっりゃあ、切腹もンじゃ!!」と昔からの年配ファンなら思ったかもな。

 立行司がナゼ「帯刀」が許されているか。奉納相撲なので、行司は差し違えたら切腹しなければならないという心構えで勝負を裁かなければならないからだ。

 では、これまで差し違えて腹を切ったことがあったのか。記録はないが自殺を思いたった者はいたらしい。もちろん事なきを得てきたが、今や映像でこと細かく勝負を分析できるのでごまかしがきかない分、精神的な重圧は昔よりも大きいのかもしれンなぁ。

 国技の大変さは、伝統としきたりを守りながらどう新しくしていくかだ。国技を運営する者は「新しさ」に敏感でないとナ。だからって勢いだけで新しくはなれない。マゲを結わず角刈りというワケにもいかんし。理不尽にキビシーと思うのは、髪が薄くなりマゲを結えない者は実力カンケーなく、引退しなきゃならンということ。伝統ってどこか理不尽かも。

 おそらく、この独特の厳しさは「勝負」にかかわる「死」の恐怖感からくるのだろう。長く重いカラダのぶつかり合いを続けていれば内臓はやられるだろうし、カラダの中で鍛えられない部分が受ける衝撃は想像を絶する。

 そう思うと好奇の目だけで、彼らの勝負をドーのコーの分析するのは無礼すぎるだろ。

 だからって土俵の外で酒飲んで不祥事引き起こしてイイことにはならンし、罰は受けなきゃならンだろが、命を賭けてる者の「ガス抜き」でもあるンで、大目にみてあげることも必要ではないか。

 不祥事が起きるたびに第三者を入れて改革しろというが、第三者が果たして命を賭けて「改革」してくれるンだろか。

 国を代表する勝負のレベルたるやを知れ。

 ■泉谷しげる(いずみや・しげる) シンガー・ソングライター、俳優。1948年5月11日、東京都生まれ。71年、ライヴアルバム『泉谷しげる登場』でデビューし、72年には代表作『春夏秋冬』を発表。70年代後半からは俳優としても活動を始める。

 69(ロック)歳を記念して過去の楽曲を収録したCD9枚と完全新作CDの10枚組アルバム『泉谷しげるの新世界「アート オブ ライブ」』が発売中だ。

 3月4日に日本武道館で開催される「オールナイトニッポン50周年記念 あの素晴らしい歌をもう一度コンサート」への出演が決定した。