【泉谷しげるの毒舌コラム オレに言わせろ!】不倫疑惑報道の小室哲哉と重なるホーキング博士 介護はキレイごとでは済まないんだぜ

ほんとにこれでいいのか!

 週刊誌に看護師との不倫疑惑を報じられた音楽プロデューサー、小室哲哉が今回の騒動のケジメとして「引退」を表明してしまった。

 う~ん、いいのかこれで? 感が残ってしまったなぁ…。なぜか、車椅子の天才スティーヴン・ホーキング博士を思い出してしまったよ。

 映画『博士と彼女のセオリー』(2014)は博士夫婦の実話を描いたもので、特に妻のジェーンさんの愛と意志の強さがすごい!

 学生時代、青春の真っただ中、理論物理学を研究していた博士は、中世詩を学ぶジェーンと恋愛するが、博士は原因不明の病気に襲われる。「筋委縮性側索硬化症」と診断され、余命2年と宣告されたが、ジェーンは諦める彼の両親を励まし、博士と「結婚」する。そして、ジェーンは子供を産むのだ。

 しかし、子供の成長と夫の介護にジェーンの精神と体力は疲弊する。男性の協力が必要となり、教会に勤める良き男性と巡りあう。この男性は博士の世話はもちろん、子供にも好かれ、家族の一員となるが、ジェーンは男性に「恋」をする。

 それを感じとった博士はジェーンの気持ちを「後押し」するのだ。

 セリフで説明せず、彼の表情表現が美しい。こんなカラダになってしまって周りに負担かけている負い目を持った者の心情がわかる瞬間だ。

 しかし、博士の「宇宙誕生説」論文が学会で認められ、時の“博士”になる。世界的な「天才博士」となった夫を支えるべく、ジェーンは泣く泣く男性と別れることに。

 これで物語は終わりと思いきや、博士はまた病で倒れる。命の保証もなく、声を失う手術をせざるを得ない事態に至るが医師に「迷ってるヒマはない」と強く進言するジェーンは素晴らしい。

 回復したが「声」を失った博士は機械で会話できるよう特訓する。ジェーンが見つけてきた優秀な女性看護師のおかげで博士は「男」まで取りもどしたのか、今度は博士が看護師に「恋」してしまうのである…。

 ホーキング博士と小室哲哉。それぞれ事実は異なるだろうが、共通してるのは「介護はキレイごとでは済まない」ということだろう。

 自身がダメになるかもしれない恐怖の日々を送った人らに、追い打ちかけるような記事を書くのは卑劣であり、犯罪なンでは、と思うぜ。マッタク!! 

 ■泉谷しげる(いずみや・しげる) シンガー・ソングライター、俳優。1948年5月11日、東京都生まれ。71年、ライヴアルバム『泉谷しげる登場』でデビューし、72年には代表作『春夏秋冬』を発表。70年代後半からは俳優としても活動を始める。

 69(ロック)歳を記念して過去の楽曲を収録したCD9枚と完全新作CDの10枚組アルバム『泉谷しげるの新世界「アート オブ ライブ」』が発売中だ。

 3月4日に日本武道館で開催される「オールナイトニッポン50周年記念 あの素晴らしい歌をもう一度コンサート」への出演が決定した。