【冬ドラマ 注目の美女たち】石原さとみ、「アンナチュラル」で“理系”と意外な好相性 あふれるエネルギーでより魅力的に

石原さとみだからこそ輝く役でもある

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 TBS系『アンナチュラル』(金曜午後10時)で法医解剖医、三澄ミコト役に挑んでいる石原さとみ。医療ミステリーでヒロインが日々扱うのは「遺体」であり、人の「死」だ。

 石原演じるミコトは、さまざまな“不自然な死”にドライに、合理的に、現実的に向き合い、謎を解明していく。

 それにしても、なぜ石原なのか。ドラマを見た一部視聴者からは違和感を指摘する声もあがっている。

 石原といえば、『失恋ショコラティエ』で演じた小悪魔的イメージや、『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』で演じた、オシャレ大好き→仕事の面白さに目覚める「キャピキャピハイテンション」系イメージを持つ人が多いだろう。

 そのため、ガチガチの理系専門職には「説得力がない」という指摘が、ネット上では少なからず見られる。

 確かに、ミコトの同僚役の市川実日子は見るからに「リケジョ」の雰囲気だし、先輩解剖医役の井浦新は「低体温」「くせ者感」が漂い、それらのキャラ設定すら説明不要でスッと入ってくる。

 それに対し、ミコトは普通にファッショナブルだし、恋人も一応いて、それでいてプライベートを犠牲にして、路上で着替えをしながら仕事に駆けつける熱心さもある。「変わり者の天才」なんかじゃなく、ちゃんと普通の感覚で世間とつながってもいる。

 そこに、石原起用の理由があると思うのだ。

 ミコトはとにかくよく食べる。危機的状況でも笑顔で乗り切ろうとし、「食べたいもの」のことを考える。どんなシビアな現実があっても「食べること=生きること」であることを、誰よりよく知っているからだ。

 映画『シン・ゴジラ』では、日系3世でバイリンガルのアメリカ大統領特使を演じた。英語まじりに早口でまくしたてるキャラクターにも違和感があり賛否両論あった。それでも、その浮き方も含めて、観客はひきつけられてしまう。

 それは「命」を預かる理系仕事の人たちの中で石原の放つエネルギーこそが、最も「命」を感じさせるものだからだ。

 スペシャリストにも、理系にも見えない石原。でも、全身からあふれ出るエネルギーは理系の物語を熱っぽく、魅力的にさせる。“石原さとみ×理系スペシャリスト”は意外な相性の良さだと思うのだ。(ドラマ評論家・田幸和歌子)

 ■アンナチュラル TBS系金曜午後10時。野木亜紀子のオリジナル脚本。共演は市川、井浦のほか、窪田正孝、松重豊ら。主題歌は米津玄師の「Lemon」。