ネットで高評価! 面白すぎる月9『海月姫』の秘密 オタク女子の熱演「電車男」に通じるものが

ヒロインの芳根京子

 フジテレビの月9ドラマ『海月姫』(くらげひめ)が、ネット上で「面白すぎる!」と高評価を受けている。ひと癖もふた癖もあるキャラたちを演じる女優たちの熱演がカギのようだ。ドラマ評論家の田幸和歌子氏が熱く解説する。

 初回の視聴率は8・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。しかし、ネット上では「面白すぎる!」と高評価の声が盛り上がっている。SNSなどの動きから、いま熱い番組・人物・コトバからテレビの流行に迫る指標「視聴熱」(ザテレビジョン調べ)では、1月29日のデイリーランキングで8905Pを獲得、ドラマ部門1位となった。

 中には「(杏と長谷川博己主演の)『デート~恋とはどんなものかしら~』以来、いちばん面白い月9」という声も。

 なかでも光るのが女優陣の熱演ぶりだ。ヒロインの住む男子禁制共同アパートで暮らすオタク女子たち「尼~ず」の面々はすごい。

 赤いジャージに身を包み、指先を反り返らせ、挙動不審の怪しい動きを繰り出す「三国志オタクのまやや」を演じる内田理央(26)。鉄道マニアでアフロヘアのような髪形がトレードマークの「ばんば」役の松井玲奈(26)。

 猫背で影の薄い眼鏡女「ジジ」役の木南晴夏(32)に、ぽっちゃり眼鏡で着物オタク+市松人形のコレクター「千絵子」役の富山えり子。

 愛すべき個性豊かなオタク描写は、フジテレビのかつての大ヒットドラマ『電車男』に通じるものがある。

 変人大集合のわちゃわちゃ感とファンタジー感は、『のだめカンタービレ』にも似た雰囲気があり、ハイクオリティーの映像美とエンタメ性が、ギュッと詰まっている。

 イラストレーターを目指して上京した海月オタクのヒロイン、月海を演じる芳根京子(20)。最初はデフォルメされたオタク女子たちの中で、「冴えない女子」設定の芳根は、透明感があってかわいすぎるのではないかと思った。

 だが、ストーリーが進むにつれ、自信のなさの原因や、幼少時に母を病気で亡くした心の傷などが描かれると、定評のある演技力を存分に発揮。胸を締め付けるような切なさを繊細に表現する。

 加えて、悪の華を放つのは、ライバル役で再開発のデベロッパー、翔子を演じる泉里香(29)だろう。美しさと華やかさを持ちつつ、「女が嫌う女」像をいやらしく、ときに滑稽に演じる悪役ぶりは見事で、ディズニー映画の魔女のようなワクワク感がある。

 「映画の二番煎じ」と批判している人や「月9」枠を避けている人は実は作品を1秒も見ていないのでは。見逃してしまうには、もったいない作品だ。