【冬ドラマ 注目の美女たち】物語に深み与える「派手S系薄幸女優」木村文乃 「99・9-刑事専門弁護士-SEASON II」

幅広い役をこなせる実力派だ

★(5)

 TBS系「99・9-刑事専門弁護士-SEASONII」(日曜午後9時)で元裁判官の弁護士、尾崎舞子を演じる木村文乃(30)。

 論理的で理屈っぽく、変人弁護士の深山(松本潤)とことごとく意見が衝突する。前作では榮倉奈々がプロレスマニアで明るく勝ち気な弁護士で華を添えていたが、今作は一転、ヒロインのイメージが「陽」から「陰」に変わった。

 ヒット作の続編で、キャストが変わるとネガティブな意見が飛び交うもの。しかも陽から陰への交代。香川照之、片桐仁ら脇を強烈なキャラが固め、ファミリー感ができあがっている中に入るのだから、どうしても浮き立ってしまう面はある。

 当然、ヒロインの交代を惜しむ声は多い。だがその“異物”が回を追うごとに着々と物語に深みを与えつつある。

 実は「陰」のヒロインは抑えた演技によって、主人公の健気さや真っすぐさ、ユニークさを際立たせる重要な役割を担うことが多い。

 ドラマ『ボク、運命の人です。』では、亀梨和也に猛アタックされつつも「運命を信じない超左脳女」を演じた。また、『サイレーン』では警視庁に勤務する松坂桃李の先輩であり、恋人を演じ、数々の「悲運」に巻き込まれてきた。

 また、注目を浴びるきっかけとなったNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』では、世良公則演じる「腕は良いが、クセのある開業医」のもとで働くクールな看護師を演じた。男性関係のトラブルで大病院を追われ、次は開業医の院長が交通事故死…とここでも悲運。

 どの作品も浮かぶのは木村の悲しく気丈な顔。木村が出るだけで「何か起こりそう」、あるいは「過去に何かありそう」な気がしてしまう。

 一般に薄幸女優というと、木村多江や西田尚美など、涼しげな和風美人が多い中、木村は派手でバタ臭い顔立ちで、気が強そうでSっぽい「派手S系薄幸女優」という貴重な人材。

 クラスなら騒がしい女子たちとは群れずに一人で本を読んでいそう。そういう「気が強い陰キャラ美女」って実は一番気になってしまうものだ。そして、陰キャラ美女がたまに無防備に見せる笑顔の愛らしさは、値千金だ。

 『99・9』でもたまに発する素っ頓狂な声や、「腹話術部」の過去を語る恥ずかしそうな表情のかわいさに、心をつかまれた視聴者も多いはず。

 陰キャラ美女が打ち解けていく「変化」も、楽しみのひとつだ。(ドラマ評論家・田幸和歌子)=おわり

 ■99・9-刑事専門弁護士-SEASON II TBS系日曜午後9時。シーズンIの期間平均視聴率は17・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。宇田学のオリジナル脚本。主題歌は嵐の「Find The Answer」。