【玉ちゃんの酔滸伝】開店1周年なんてまだ青い! 「2軒で90年」の歴史にカンパイ

「スナック鳩子の店」

 今月1日、東京・赤坂の「スナック玉ちゃん」が、無事に開店1周年を迎えました。1年間を通して、1カ月あたり約300人のお客さまがご来店してくださっています。これもお客さま・スタッフのお力添えのおかげだと、ここに感謝申し上げます。

 1周年でそんな感慨にふけっておりますが、今回ご紹介する「スナック鳩子の店」(東京都新宿区四谷1の8の8)と「スナック チロ」(同区三栄町16)は、合わせて90年の歴史を誇る2軒です。

 「鳩子の店」の店名は、鳩子ママが1974年のNHK朝の連続テレビ小説「鳩子の海」に出演したのが由来です。日大芸術学部出身の鳩子ママは、ひょんなことから私も修業した浅草のストリップ小屋「フランス座」の舞台で、ストリップの幕あいにコントを披露したこともある方です。

 お父さまは「ストリップの舞台に立たせるために、日芸に行かせたわけじゃない!」とお冠だったそうですが、ママの学歴はお店をやる上で役立ちました。日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日の各局員になった日芸出身者が、こぞってお店に集うようになったのです。人の縁であっという間の40年。ママは、自分を日芸に入れてくれたお父さまに今も感謝しているそうです。

 そして「スナックチロ」です。先代から受け継いで38年目の郁子ママです。なんとお客さまの中には、50年通い続けているお客さまもいらっしゃいます。

 常連さんのサントリー「オールド」(通称ダルマ)のボトルには、「1118本目」という輝かしい数字がカウントされています。新しいボトルを入れるごとに本数を刻んでいるのです。

 店の壁を見て、お客さまがボトルを入れたくなる気持ちが分かりました。400本のボトルをキープできる棚がしつらえてあるのです。亡くなった常連さんのボトルもあり、「置きっぱなしだから、永代供養みたいなものね」と郁子ママ。旅立った常連さんもカウンターに座って笑っていることでしょう。

 スナック玉ちゃんも歴史を重ね、このおとぎ話のようなストーリーができるよう頑張ります。

 ■玉袋筋太郎(たまぶくろ・すじたろう) お笑い芸人。1967年6月22日生まれ。東京都新宿区出身。86年にビートたけしに弟子入り。TBSラジオ「たまむすび」(金曜)、TOKYO MX「バラいろダンディ」(水曜)にレギュラー出演中。2013年から一般社団法人全日本スナック連盟会長。著書に「スナックあるある この素晴らしき魑魅魍魎の世界」(講談社)など。新刊「スナックの歩き方」(イースト新書)が発売中。