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地下アイドルの「いじめ体験率」はなぜ一般人の約5倍なのか (2/5ページ)

 私が書籍でいじめ体験を明かしたのは、担当編集者に「人生の中で憂鬱になってから、憂鬱を抜け出すまでの過程を書いてほしい」と言われて、改めて憂鬱の種を思い出したからです。入学してすぐ先輩から「生意気」と目をつけられ、そのせいで同級生の中でも浮いてしまい、教室移動から戻ってきたら机に「死ね」と書かれていて、ストレスで全身が膿んでただれてしまった体で、楽しい青春なんてこの世のどこにあるのか、存在するのかすらわかりませんでした。頼まれたら断れない性格もあって、そんな過去を求められるまま文章にしたのです。

 それまでは辛いことを思い出したくない気持ちもありましたが、私はこの学校生活しか体験していないため、これがいじめなのかどうか理解していませんでした。しかし、改めて体験を文章にして以来、ファンの人たちからは気遣いの言葉ばかりかけてもらっています。

 「そういう傷があることを知って、もっと気を遣わないといけないと思った」という声が最も多くて、少し恥ずかしいような、気を遣わせてしまって申し訳ないような気持ちがしています。

 「明るい人だと思ってたから意外だった」と驚く声もありましたが、決して私の体験を拒否するわけではなく、辛かったことも受け止めてくれて、いまの自分が優しい世界にいることを改めて実感しました。積極的なきっかけではありませんでしたが、いじめ体験を話したこと、文章に書いたことで、いまの自分が昔とは違う場所にいる幸せを再確認できたのは良かったと思っています。

 地下アイドルにいじめの体験者が多いことは、地下アイドルとして活動してきた8年間で感覚的に理解していましたが、『職業としての地下アイドル』を執筆するにあたって、現役の地下アイドルに実施したアンケートと、一般の若者を対象にしたアンケート(内閣府発表の「平成25年度 我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」)の結果を照らし合わせたことで、実態が明らかになりました。

NEWSポストセブン
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