記事詳細

地下アイドルの「いじめ体験率」はなぜ一般人の約5倍なのか (4/5ページ)

 まず、傷を負っていることを茶化したり、見下したりする風潮がないのです。雑誌の取材などでアイドルがいじめ体験を告白すると、「またか」「ファンに媚びを売るために話しているんじゃないか」といった目でみられることも珍しくありません。外野から否定的なコメントが投げられる一方で、周囲が同じ体験をしてきている地下アイドルの世界では、傷を負った人たちがなんとなく事情を理解できるため、肯定的に受け止め合うことができて、自然といじめの体験について話す機会ができます。

 また、地下アイドルは自分をアピールする職業でもあるので、多かれ少なかれ自身のキャラクターを設定する必要があります。なりたい自分を目指して活動する地下アイドルの世界では、自分のキャラクターを作って努力していることに誰も目くじらを立てません。いじめられた自分から抜け出そうとしている人を、また貶めようとする空気がないのです。

 そして、地下アイドルの世界がこうした女性たちの受け皿になっているのは、物事を多様な見方で楽しめるファンの人たちが集まっているおかげです。

 地下アイドルのファンは、突出した能力や技術よりも、普通の女の子の「なんとなくいいな」という曖昧な魅力を地下アイドルに見出して楽しむことができます。そんな彼らだからこそ、傷を負った地下アイドルであっても関係なく、受け止めることができる柔軟さを持っているのです。

 いじめの経験者でもアイドルとして人前に立つ活動を続けられる理由は、地下アイドルを気遣いながら、楽しいことを見出してくれるファンの存在が大きく影響しています。ファンが存在してくれることで、女の子たちは、学校という社会で失われてしまった、「人に好かれる自分」を地下アイドル業界という別の社会の中で再び獲得することができるのです。

NEWSポストセブン
zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース