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【篠木雅博 歌い継ぐ昭和 流行り歌 万華鏡】すべてがゴージャス フランク永井、おしゃれで銀座の高級感漂う「有楽町で逢いましょう」 (1/2ページ)

 かつては年末のテレビといえば、家族で楽しめる歌番組が花盛りだった。NHK紅白歌合戦は今年で68回目を迎える。50回目を迎えた日本有線大賞のテレビ放送は今年で最後になった。

 有線を引いているスナックから10円玉で好きな曲をリクエストしたものだ。業界に入ると、新人の売り出しに有線まわりをしたこともあった。売れないとテレビには出られないからだ。都内はもちろん楽曲、歌手に関わる接点があれば、その土地に行って有線所を訪ねた。有線からヒットが生まれた話は数知れない。

 老いも若きもという時代のヒット曲がなくなり、個人が自由に音楽を楽しむ時代。紅白はその地位を保っているが、音楽番組は減少し、バラエティー番組ばかりが目立つ昨今、音楽の聴かせ方に工夫をしないと、さらに厳しくなるだろう。

 その有線もない時代にラジオから、いつも流れていたのがフランク永井の「有楽町で逢いましょう」だった。

 〈あなたを待てば雨が降る〉

 銀座数寄屋橋あたりが背景だった。低音で歌詞の語尾の音がシャープ(半音上)気味になる独特の歌い方だった。ビジュアルはスーツにトレードマークの細いネクタイ。大人はこのスタイルと歌い出しのフレーズをまねする人が多かった。

 曲がマイナーで低音だと暗いイメージになりがちだが、彼の歌はおしゃれで銀座クラブの高級感が似合った。音域が狭く、酔っても歌える演歌歌謡曲とは趣が違った。さらに名前がフランクだから、すべてが洋風。巷ではゴージャスの言葉が使われるようになった。子供だった僕は、大人の恋人たちはゴージャスな銀座で待ち合わせするものと思い込んでいた。

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