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【厳選!赤穂浪士列伝】天下の憎まれ役をどう頼むか…里見浩太朗が森繁久彌に直談判で実現した「忠臣蔵」 (1/2ページ)

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 大石内蔵助を演じるのは俳優にとって大きな夢だ。その夢を50歳の節目にかなえたのが時代劇の大御所、里見浩太朗だ。

 前篇「君、怒りもて往生を遂ぐ」、後篇「我、一死もて大義に生く」の長編を12月30、31日の2夜連続放送という日本テレビの大型企画。問題は吉良上野介を誰にするかだ。森繁久彌との案が出たが、喜劇の人気者に天下の憎まれ役をどう頼むか。白羽の矢が立ったのは里見浩太朗本人だった。森繁が出演する劇場の楽屋を訪れ、緊張しながら話を切り出したものの返事は『帰れ』の一言。あきらめずにもう一度頼みに行き、脚本の杉山義法氏の協力もあって、ようやく出演が実現したのだった。

 杉山脚本はこの物語を「男たちの神話」とした。勅使饗応役に任命された播州赤穂藩主、浅野内匠頭(風間杜夫)は、指南役の高家筆頭、吉良上野介(森繁)への御礼を鰹節など質素なものにしたため憎まれる。饗応料理や屏風の絵柄にまで文句をつけられ、大広間の畳替えを一晩で命じられたりと、嫌がらせが続く。3月14日、勅使饗応当日も上野介から「鰹節、カツオ武士道じゃ」とおやじギャグの如くあざけられた内匠頭は、ついに殿中松の廊下で「上野介覚えたか!!」と刃傷事件を起こしてしまう。

 キャストは毛利小平太に西郷輝彦、堀部安兵衛に勝野洋、岡野金右衛門に堤大二郎と時代劇の主役経験者も多数。女性ファン注目の美少年義士、大石主税を坂上忍が演じている。その息子主税と夫を見送ることになる大石リク(中野良子)、亡き殿を愛し続ける瑶泉院(多岐川裕美)など、女たちの秘めた悲しみも涙を誘った。

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