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【大人のTV】偉大な父を超えるため…中村勘九郎・七之助兄弟の挑戦「勘三郎が遺したもの」

★「勘三郎が遺したもの~中村勘九郎・七之助 古き芝居小屋を巡る旅」(BSフジ、14日午後6時)

 それにしても、歌舞伎俳優の中村勘九郎は、今は亡き父親の中村勘三郎に似てきたと思う。声や話し方などはうり二つだろう。そして、父親にはない、ゴツゴツさが新たなおもしろみになっているような気がする。

 一方の弟の中村七之助は父親ではなく、母方の祖父である先代の中村芝翫に似てきている。彼らは、どうしてもそう見られる。偉大な先人を身内にもつと、そうした看板を背負うことになる。

 いかにして、その看板に負けない自分を作り上げていくのか。おそらく、勘九郎・七之助兄弟の生き方は、ずっとそれとの闘いなのだろう。

 番組では、勘九郎・七之助兄弟、そして鶴松ら中村屋一門が2017年11月3日からの1カ月間、全国の古い芝居小屋をめぐってきた旅の様子を追っている。

 「全国芝居小屋 錦秋特別公演2017」は、香川の金丸座など、江戸時代から明治・大正にかけて日本中に作られた芝居小屋8カ所で、中村屋が歌舞伎を上演する巡業企画だ。

 もとはといえば、父・勘三郎が2006年に襲名披露で各小屋を回ったことから始まっているわけだが、誰からも愛された父が遺した偉業を、息子2人がしっかりと受け継いでいる。しかし、そこには、どうしても父と息子という関係性を強く感じてしまう。

 もちろん、地方の小屋では、中村屋の巡業を楽しみにしているだろう。だが、それ以上に、この巡業は、父に追いつき、超えるための試練だと思えてならない。

 思えば、勘三郎という人は伝統を受け継ぎながらも、次世代につながる新しい歌舞伎の世界を広げてきた。それを超えなければならないのだから、並大抵のことではいかないだろう。

 だからこそ、勘九郎・七之助兄弟の挑戦は見ていて面白いのだ。(F)

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