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奄美の“悲哀”歌うタナカアツシ、沖縄との“差異”をムード歌謡の旋律に

 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島」の世界自然遺産への登録が期待が高まる中、奄美について笑いとペーソスでつづったシングルCD「大島エレジー」(ヌーマン)が、2月1日にリリースされる。

 ギター、三味線を弾き、歌うのはタナカアツシ。作詞・作曲も自ら手がけた。

 「沖縄じゃないの 奄美大島よ」という出だしは、どこか伊東ゆかりの「小指の思い出」(1967年)を思わせ、昭和歌謡のテイストがあふれている。その歌声もシマ唄と歌謡曲を融合させたような独特の味わいだ。

 いまだに伊豆大島と奄美大島の区別がつかない、奄美が鹿児島県と知らない、ひょっとすると徳之島と徳島県の区別すらつかない方々のために、歌詞は訴える。

 美しい海は似ていても沖縄と奄美は酒も食もちょっと違う。沖縄の地酒は泡盛で、奄美はサトウキビからつくる黒糖焼酎。沖縄はソーメンチャンプルーだが、奄美は油ソーメン。そんな“差異”がムード歌謡の旋律に乗る。「でも、でも」という合いの手がアクセントになり、笑いを誘う。

 タナカは東京生まれだが、祖父は奄美群島のひとつ喜界島の出身。若い頃はビートルズにはまり、クラプトンにひかれ、B・B・キングなどブルースに傾倒した。それが祖父の死を機に自らのルーツでもあるシマ唄を歌い始め、その和製ブルース感に魅せられた。

 シマ唄の第一人者でもある加計呂麻島出身の朝崎郁恵に師事し、西アフリカの伝統打楽器ジンベ奏者の奈良大介とともにバックをつとめ、奈良とはシマ唄ユニット「マブリ」を組む。「ライブをしていると、まだまだ奄美と沖縄との違いを分かってもらえてないことを痛感。奄美の悲哀を歌にしようとした時、奈良さんからのアドバイスでムード歌謡調でつくってみました」とタナカ。

 CDは1000円。2月1日に東京・青山「月見ル君想フ」で発売記念ライブを開く。ゲストに女優の有森也実、唄者の朝崎郁恵ら。 (森村潘)

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