記事詳細

【田村“狂四郎”の神髄 ペリー荻野】田村正和の妖艶さと人間離れした雰囲気にぴったり 「円月殺法」完成の道 (1/2ページ)

★(2)

 17日放送の田村正和(74)主演「眠狂四郎The Final」(フジテレビ系)。約半世紀にわたって田村が当たり役としてきた狂四郎がファイナルでどんな戦いに挑むのか。その見どころのひとつが、狂四郎の必殺剣「円月殺法」だ。

 狂四郎が下段の構えから妖刀無想正宗をくるりと一周させながら相手を幻惑、見た者は必ず死ぬという「円月殺法」。狂四郎シリーズ最大の見せ場ながら、CGもない時代、小説で描かれた剣法を実写で表現するのは大変だった。その必殺剣映像を生み出したのは、市川雷蔵が狂四郎を演じた大映映画。筆者はそのいきさつを田中徳三監督と池広一夫監督に取材したことがあった。

 田中監督は雷蔵版第1作「眠狂四郎殺法帖」(1963年)を演出。もともと原作者の柴田錬三郎は映像化に乗り気ではなく、初対面の雷蔵に「円月殺法を見せろ」と迫った。雷蔵は剣先をかえして円を描く独特の動きを自ら編み出し、作家を納得させたという。「雷蔵さんの隠れた努力は見事だった」と監督も絶賛していた。その後、第4作「眠狂四郎女妖剣」(64年)の池広監督が、剣がコマ割りで光を放ちながら動くように見える幻想的な“ストロボ撮影”を取り入れた。監督のアイデアをスターが即座に体現してみせる。斬新なシーンは、俳優と監督の近しい信頼関係があったからこそできたのだと聞いた。以降、円月殺法といえば、この手法となって定着した。

zakzakの最新情報をSNSで受け取ろう

関連ニュース